- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ1
公開日
2025.04.02
更新日
2025.08.31

心に響く英語ことわざ(412)ドイツの哲学者ショーペンハウアーの名言 Wealth is like sea-water; the more we drink, the thirstier we become; and the same is true of fame.(持てば持つほど、もっと欲しくなる)
“Wealth is like sea-water; the more we drink, the thirstier we become; and the same is true of fame.”
直訳は「富は海水のようなものだ。飲むほどに喉が渇き、名声も同じだ」で、似た意味のことわざに「持てば持つほど、もっと欲しくなる」があります。
ショーペンハウアーの名言”Wealth is like sea-water; the more we drink, the thirstier we become; and the same is true of fame.”の意味
ショーペンハウアー(Arthur Schopenhauer)のこの名言は、富や名声は真の幸福をもたらさないということを意味しています。
富について言えば、人はいくらお金を持っていても、常にもっとお金が欲しい と思うようになります。これは、海水のように、いくら飲んでも喉の渇きが癒されないのと同じです。
名声についても同じことが言えます。人はいくら有名になっても、常にもっと有名になりたいと思うようになります。これは、いくら水を飲んでもお腹がいっぱいにならないのと同じです。
真の幸福 は、内面的なものであり、外的なものではありません。富や名声は、一時的な満足感を与えてくれるかもしれませんが、真の幸福をもたらしてくれるものではありません。
この名言は、私たちに以下のようなことを教えてくれます。
物質的な欲求に振り回されない
真の幸福は内面にある
感謝の気持ちを持つ
補足
この名言は、ショーペンハウアーの著書 「人生の知恵」 に収録されています。
ショーペンハウアーは、ドイツの哲学者 であり、意志 を重視した哲学を唱えました。
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似た意味の英語のことわざ
“The more you have, the more you want.”
(持てば持つほど、もっと欲しくなる)
“You can never have too much money.”
(お金はいくらあっても足りない)
“Greed is a bottomless pit.”
(貪欲は底なしの穴)
“Fame is a double-edged sword.”
(名声は諸刃の剣)
“Too much of anything is a bad thing.”
(何事も過ぎれば過ぎる)
“Money can’t buy happiness.”
(お金で幸せは買えない)
“The love of money is the root of all evil.”
(金銭欲はすべての悪の根源)
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似た意味の日本語のことわざ
「目は欲しがり、腹は空かず」
いくらでも欲しがる気持ちはあっても、実際には必要以上のものは必要ないという意味
「足るを知る者は富む」
自分の持ち物に満足できる人は真の富を得られるという意味
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ショーペンハウアーの生い立ち
アルトゥール・ショーペンハウアーは、1788年2月22日、ポーランドのダンツィヒ(現在のポーランド・グダニスク)に、裕福な商人であった父ハインリヒ・フロール・ショーペンハウアーと、人気作家だった母ヨハンナ・ショーペンハウアーの長男として生まれました。
幼少期
幼い頃から知性と感受性に優れており、7歳頃にはラテン語やギリシャ語を読みこなせるほどでした。
しかし、両親との関係は良好ではなく、特に母親とは不仲でした。
13歳の時、父が亡くなり、家業を継ぐために商人の修行をしましたが、すぐに断念しました。
青年期
1805年、ゲッティンゲン大学に入学し、医学を学び始めました。
しかし、医学よりも哲学に興味があり、1807年にベルリン大学へ移り、カント哲学を学びました。
1813年、博士論文「意志と表象としての世界」を提出して博士号を取得しました。
その後の人生
その後、ショーペンハウアーはベルリン、ドレスデン、フランクフルト・アム・マインなど各地を転々とし、著述活動に専念しました。
1818年、主著である「意志と表象としての世界」を出版しました。
この本は当初あまり注目されませんでしたが、その後徐々に評価が高まり、ショーペンハウアーを代表する作品となりました。
ショーペンハウアーは生涯独身であり、1860年9月21日にフランクフルト・アム・マインで亡くなりました。
ショーペンハウアーの思想
ショーペンハウアーの思想は、意志を中心に展開されています。意志とは、ショーペンハウアーによれば、盲目的な衝動であり、世界の本質そのものであるとされています。
ショーペンハウアーは、世界は本質的に苦しみであると考えました。これは、意志の盲目的な衝動が、常に新しい欲望を生み出し、その欲望を満たすことができないためです。
ショーペンハウアーは、真の幸福を得るためには、意志を否定することが必要であると考えました。意志を否定することは、欲望を捨てることではなく、欲望を生み出す衝動を捨てることです。
ショーペンハウアーの思想は、その悲観主義的な世界観から、多くの人々に敬遠されています。しかし、彼の思想は、人間の心の奥底にあるものを鋭く洞察しており、現代社会にも多くの示唆を与えてくれるものです。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(411)フランスの哲学者・小説家サルトルの名言 Commitment is an act, not a word.(行動は言葉よりも雄弁)
https://www.eionken.co.jp/note/jean-paul-sartre/
心に響く英語ことわざ(413)フランスの哲学者のモンテーニュの名言 Stubborn and ardent clinging to one’s opinion is the best proof of stupidity.(固執偏見は愚の骨頂)
https://www.eionken.co.jp/note/michel-de-montaigne/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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