- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(412)ドイツの哲学者ショーペンハウアーの名言 Wealth is like sea-water; the more we drink, the thirstier we become; and the same is true of fame.(持てば持つほど、もっと欲しくなる)
“Wealth is like sea-water; the more we drink, the thirstier we become; and the same is true of fame.”
直訳は「富は海水のようなものだ。飲むほどに喉が渇き、名声も同じだ」で、似た意味のことわざに「持てば持つほど、もっと欲しくなる」があります。
ショーペンハウアーの名言”Wealth is like sea-water; the more we drink, the thirstier we become; and the same is true of fame.”の意味
ショーペンハウアー(Arthur Schopenhauer)のこの名言は、富や名声は真の幸福をもたらさないということを意味しています。
富について言えば、人はいくらお金を持っていても、常にもっとお金が欲しい と思うようになります。これは、海水のように、いくら飲んでも喉の渇きが癒されないのと同じです。
名声についても同じことが言えます。人はいくら有名になっても、常にもっと有名になりたいと思うようになります。これは、いくら水を飲んでもお腹がいっぱいにならないのと同じです。
真の幸福 は、内面的なものであり、外的なものではありません。富や名声は、一時的な満足感を与えてくれるかもしれませんが、真の幸福をもたらしてくれるものではありません。
この名言は、私たちに以下のようなことを教えてくれます。
物質的な欲求に振り回されない
真の幸福は内面にある
感謝の気持ちを持つ
補足
この名言は、ショーペンハウアーの著書 「人生の知恵」 に収録されています。
ショーペンハウアーは、ドイツの哲学者 であり、意志 を重視した哲学を唱えました。
***
似た意味の英語のことわざ
“The more you have, the more you want.”
(持てば持つほど、もっと欲しくなる)
“You can never have too much money.”
(お金はいくらあっても足りない)
“Greed is a bottomless pit.”
(貪欲は底なしの穴)
“Fame is a double-edged sword.”
(名声は諸刃の剣)
“Too much of anything is a bad thing.”
(何事も過ぎれば過ぎる)
“Money can’t buy happiness.”
(お金で幸せは買えない)
“The love of money is the root of all evil.”
(金銭欲はすべての悪の根源)
***
似た意味の日本語のことわざ
「目は欲しがり、腹は空かず」
いくらでも欲しがる気持ちはあっても、実際には必要以上のものは必要ないという意味
「足るを知る者は富む」
自分の持ち物に満足できる人は真の富を得られるという意味
***
ショーペンハウアーの生い立ち
アルトゥール・ショーペンハウアーは、1788年2月22日、ポーランドのダンツィヒ(現在のポーランド・グダニスク)に、裕福な商人であった父ハインリヒ・フロール・ショーペンハウアーと、人気作家だった母ヨハンナ・ショーペンハウアーの長男として生まれました。
幼少期
幼い頃から知性と感受性に優れており、7歳頃にはラテン語やギリシャ語を読みこなせるほどでした。
しかし、両親との関係は良好ではなく、特に母親とは不仲でした。
13歳の時、父が亡くなり、家業を継ぐために商人の修行をしましたが、すぐに断念しました。
青年期
1805年、ゲッティンゲン大学に入学し、医学を学び始めました。
しかし、医学よりも哲学に興味があり、1807年にベルリン大学へ移り、カント哲学を学びました。
1813年、博士論文「意志と表象としての世界」を提出して博士号を取得しました。
その後の人生
その後、ショーペンハウアーはベルリン、ドレスデン、フランクフルト・アム・マインなど各地を転々とし、著述活動に専念しました。
1818年、主著である「意志と表象としての世界」を出版しました。
この本は当初あまり注目されませんでしたが、その後徐々に評価が高まり、ショーペンハウアーを代表する作品となりました。
ショーペンハウアーは生涯独身であり、1860年9月21日にフランクフルト・アム・マインで亡くなりました。
ショーペンハウアーの思想
ショーペンハウアーの思想は、意志を中心に展開されています。意志とは、ショーペンハウアーによれば、盲目的な衝動であり、世界の本質そのものであるとされています。
ショーペンハウアーは、世界は本質的に苦しみであると考えました。これは、意志の盲目的な衝動が、常に新しい欲望を生み出し、その欲望を満たすことができないためです。
ショーペンハウアーは、真の幸福を得るためには、意志を否定することが必要であると考えました。意志を否定することは、欲望を捨てることではなく、欲望を生み出す衝動を捨てることです。
ショーペンハウアーの思想は、その悲観主義的な世界観から、多くの人々に敬遠されています。しかし、彼の思想は、人間の心の奥底にあるものを鋭く洞察しており、現代社会にも多くの示唆を与えてくれるものです。
***
この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(411)フランスの哲学者・小説家サルトルの名言 Commitment is an act, not a word.(行動は言葉よりも雄弁)
https://www.eionken.co.jp/note/jean-paul-sartre/
心に響く英語ことわざ(413)フランスの哲学者のモンテーニュの名言 Stubborn and ardent clinging to one’s opinion is the best proof of stupidity.(固執偏見は愚の骨頂)
https://www.eionken.co.jp/note/michel-de-montaigne/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
***
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
Amazon.co.jp: 山下長幸: 本、バイオグラフィー、最新アップデート