- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.04

心に響く英語ことわざ(252)米国独立宣言起草委員だったベンジャミン・フランクリンの名言 Having been poor is no shame, but being ashamed of it, is.(貧乏は心の持ちよう)
Having been poor is no shame, but being ashamed of it, is.
直訳は「貧しいことは恥ではないが、それを恥じることは恥だ」で、似た意味の日本のことわざに「貧乏は心の持ちよう」があります。
米国独立宣言起草委員だったベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)の名言 Having been poor is no shame, but being ashamed of it, is.の意味
名言の背景
この名言は、フランクリン自身の経験に基づいていると考えられます。彼は貧しい家庭に生まれ育ちましたが、それを恥じることなく、努力によって成功を収めました。彼は、貧困は個人の努力や能力とは関係なく、様々な要因によって起こり得ると考えていました。
名言の意味
この名言は、以下の2つの意味を込められていると解釈できます。
貧困自体は恥じるべきことではない
人は生まれや育った環境によって、経済的な格差が生じることがあります。貧困は個人の努力や能力の欠如とは限らず、様々な要因によって起こり得るものです。したがって、貧困そのものを恥じる必要はありません。
貧困を恥じることは恥である
貧困を恥じることは、自身の境遇を受け入れず、努力することを放棄することを意味します。これは、更なる苦難を招き、人生の可能性を狭めることになります。
現代社会への示唆
この名言は、現代社会においても依然として重要性を持ち続けています。貧困は依然として世界的な問題であり、多くの人々が経済的な困窮に苦しんでいます。しかし、貧困を恥じることなく、努力によって人生を切り開くことは可能です。
フランクリンの言葉は、私たち一人ひとりに、自身の境遇に立ち向かい、努力することの大切さを教えてくれます。
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似た意味の英語のことわざ
“It’s not a disgrace to be poor, but it is shameful to remain so.”
「貧乏になることは恥ずべきことではないが、そのままの状態にとどまることは恥ずかしい」という
“Poverty is no sin, but to be content with it is.”
これは、「貧困は罪ではないが、それに満足するのは罪だ」という意味のことわざです。貧困は個人の責任ではないことを示唆していますが、貧困から抜け出す努力をしないことを批判する意味合いも含まれています。
“A man is not poor because he has no money, but because he has no dreams.”
これは、「人はお金がないから貧しいのではない。夢がないから貧しいのだ」という意味のことわざです。物質的な豊かさよりも、精神的な豊かさの重要性を強調しています。
“It is better to be poor and honest than to be rich and dishonest.”
これは、「貧しくても正直である方が、金持ちでも不正であるよりも良い」という意味のことわざです。真の価値は、物質的な豊かさではなく、誠実さや正直さにあることを示唆しています。
“Wealth is not everything in life.”
これは、「お金は人生のすべてではない」という意味のことわざです。物質的な豊かさよりも、健康や家族、友人との関係など、他の価値観の重要性を強調しています。
“Money can’t buy happiness.”
これは、「お金で幸せは買えない」という意味のことわざです。物質的な豊かさは一時的な満足感を与えてくれるかもしれませんが、真の幸福は内面から生まれるものであることを示唆しています。
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似た意味の日本語のことわざ
貧乏は罪ではない、それを恥じるのが罪
貧困そのものを恥じるのではなく、貧困から抜け出す努力をしないことを批判する意味合いが含まれています。
貧乏は心の持ちよう
これは、貧困は考え方次第で克服できるという意味のことわざです。前向きな気持ちで努力すれば、貧困という状況を乗り越えることができるというメッセージが込められています。
志あれば道あり
これは、強い意志があればどんな困難も乗り越えられるという意味のことわざです。貧困という状況にあっても、夢や目標に向かって努力すれば道は開けるというメッセージが込められています。
不撓不屈(ふとうふくつ)
これは、どんな困難にも屈することなく、最後までやり遂げる精神という意味のことわざです。貧困という状況にあっても、諦めずに努力を続けることの大切さを示唆しています。
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ベンジャミン・フランクリンの生い立ち
幼少期
ベンジャミン・フランクリンは、1706年1月17日(ユリウス暦では1月6日)、アメリカ植民地時代のマサチューセッツ州ボストンで、17人兄弟の15番目の子として生まれました。父親はろうそく職人兼雑貨商、母親は第二夫人でした。幼い頃から経済的な困窮を経験し、10歳で学校教育を終えました。
印刷業への道
1718年、12歳の時に兄ジェームズの元で印刷工としての見習いを始めました。そこで、文章の書き方や印刷技術を学び、読書にも励みました。1723年には、兄との意見対立からボストンを離れ、フィラデルフィアへ移住しました。
独立と成功
フィラデルフィアでは、様々な印刷所で働き、1729年には独立して自身の印刷所を設立しました。「ペンシルベニア・ガゼット」紙を発行し、政治や社会に関する記事を掲載することで人気を博しました。また、「貧しいリチャードの年鑑」という教訓書を発行し、勤勉や節約の大切さを説きました。
科学者としての活動
印刷業で成功を収めた後、フランクリンは科学研究にも積極的に取り組みました。特に、電気に関する研究で有名です。1752年、凧を用いた実験で雷が電気であることを証明しました。避雷針の発明も、この研究成果の一つです。
政治家としての活動
フランクリンは、政治家としても活躍しました。1758年には、ペンシルベニア植民地議会議員に選出されました。その後、イギリスとの外交交渉にも携わり、アメリカ独立戦争においても重要な役割を果たしました。1776年には、アメリカ独立宣言の起草委員の一人となりました。
その後
独立戦争終結後、フランクリンはフランス大使として外交活動に尽力しました。1785年には帰国し、ペンシルベニア州議会議長を務めました。
フランクリンの功績
フランクリンは、政治家、科学者、外交官、著述家など、様々な分野で活躍した人物です。アメリカ独立に多大な貢献をしただけでなく、避雷針や二焦点レンズなどの発明、電気に関する研究など、科学の発展にも貢献しました。また、「貧しいリチャードの年鑑」などの著書を通じて、勤勉や節約の大切さを説き、多くの人々に影響を与えました。
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ベンジャミン・フランクリンがアメリカ独立宣言の起草委員になった経緯
ベンジャミン・フランクリンがアメリカ独立宣言の起草委員に選ばれたのは、1776年5月の第二回大陸会議においてでした。当時、フランクリンは70歳という高齢でしたが、政治家、科学者、外交官として高い名望を誇っていました。また、イギリスとの独立を主張する急進派の代表的な人物としても知られていました。
フランクリンが起草委員に選ばれた理由は、いくつか考えられます。
政治的経験と手腕
フランクリンは、長年にわたってペンシルベニア植民地議会議員や大陸会議議員を務めてきた経験があり、政治的な駆け引きに長けていました。また、優れた演説家としても知られており、人々を説得する力を持っていました。
外交手腕
フランクリンは、イギリスとの外交交渉にも携わった経験があり、イギリス政府の立場や考え方をよく理解していました。また、フランスをはじめとするヨーロッパ諸国との外交関係にも精通しており、独立後のアメリカにとって必要な支援を取り付けることができる人物と考えられていました。
科学者としての名声
フランクリンは、科学者としても高い名声を得ており、ヨーロッパ各地の知識人や政治家との人脈を持っていました。独立宣言は、単にイギリスからの独立を宣言するだけでなく、普遍的な人権思想に基づいた新しい国家の理念を世界に示すものでした。フランクリンの科学者としての名声は、このような理念の正当性を高めるのに役立ったと考えられます。
急進派の代表
フランクリンは、イギリスとの独立を主張する急進派の代表的な人物としても知られていました。大陸会議には、独立派と穏健派の両方が存在しており、独立宣言の起草には様々な意見がぶつかりました。しかし、フランクリンは、急進派の意見をまとめ、独立宣言に盛り込むことに大きな役割を果たしました。
妥協と調整
フランクリンは、急進派の代表である一方で、妥協と調整にも長けていました。大陸会議には、様々な植民地代表が参加しており、それぞれの植民地には異なる利益や要求がありました。フランクリンは、これらの異なる意見をまとめ、独立宣言を全植民地が支持できる内容に仕上げることに貢献しました。
フランクリンは、これらの様々な資質を活かして、アメリカ独立宣言の起草に大きく貢献しました。彼の努力は、アメリカ合衆国の建国に不可欠なものでした。
この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(251)英国首相だったウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)の名言 Kites rise highest against the wind – not with it.(艱難汝を玉にす)
https://www.eionken.co.jp/note/winston-churchill-2/
心に響く英語ことわざ(253)米国大統領だったジョン・F・ケネディ(John Fitzgerald Kennedy)の名言 Efforts and courage are not enough without purpose and direction.(目的なくして手段なし)
https://www.eionken.co.jp/note/john-fitzgerald-kennedy-2/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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