- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(378)叙事詩「神曲」で有名なイタリアの詩人ダンテの名言 Consider your origins: you were not made to live as brutes, but to follow virtue and knowledge.(学びは人を成長させる)
“Consider your origins: you were not made to live as brutes, but to follow virtue and knowledge.”
直訳は「あなたの起源を思い起こせ。あなたは獣のように生きるように造られたのではなく、徳と知識に従うように造られた」で、似た意味の日本語のことわざに「学びは人を成長させる」があります。
ダンテの名言”Consider your origins: you were not made to live as brutes, but to follow virtue and knowledge.”の意味
ダンテ(Dante Alighieri)のこの名言は、彼の叙事詩『神曲』の地獄篇第22歌に記されています。この名言は、主人公ダンテが案内者ヴェルギリウスから諭される言葉として登場します。
この名言は、人間の本質と生きる目的について深い洞察を表現しています。以下、3つのポイントに分けて詳しく解説します。
人間の本質:獣ではない
この名言の冒頭「Consider your origins: you were not made to live as brutes,(あなたの起源を思い起こせ。あなたは獣のように生きるように造られたのではない)」は、人間と動物の違いを明確に示しています。
ダンテは、人間には理性と知性という動物にはない能力が与えられていると主張します。人間は、本能や欲望に支配されるのではなく、理性に基づいて判断し、行動することができる存在です。
生きる目的:徳と知識
名言の後半「but to follow virtue and knowledge.(徳と知識に従うように造られた)」は、人間が生きる目的を示しています。
ダンテにとって、人間は単に生存することではなく、徳を磨き、知識を追求することで、より高尚な存在へと成長することが求められています。徳とは、倫理的に正しい行動を指し、知識とは、真理や学問に関する理解を指します。
潜在能力の覚醒
この名言全体を通して、ダンテは人間が本来持っている潜在能力を覚醒させ、より充実した人生を送るべきだと訴えています。
人間は、獣のように本能に支配されるのではなく、理性と知性を活かして徳と知識を追求することで、真の人間としての成長を遂げることができるのです。
補足
この名言は、単に個人の倫理観を説くだけでなく、より大きな社会的なメッセージも込められています。ダンテは、人間が理性と知性に基づいて行動することで、より良い社会を築くことができると信じていました。
この名言は、今日においてもなお、人間としての生き方について考えさせられる深いメッセージであると言えるでしょう。
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似た意味の英語のことわざ
“Man is not made for pleasure, but for virtue.”
(人間は快楽のためではなく、徳のためにある)
このことわざは、古代ギリシャの哲学者アリストテレスの言葉と言われています。人間は、単に快楽を追及するのではなく、徳を磨き、より良い人間になるために努力すべきだという考えを表しています。
“Knowledge is power.”
(知識は力である)
このことわざは、16世紀のイギリスの哲学者フランシス・ベーコンの言葉と言われています。知識は、人間に様々な力を与えてくれるという意味です。知識を身につけることで、問題を解決したり、新しいアイデアを生み出したり、より良い人生を送ることができるようになります。
“Virtue is its own reward.”
(徳はそれ自体が報いである)
このことわざは、古代ローマの哲学者セネカの言葉と言われています。徳を磨くことは、目に見える形での報酬を得られるわけではありませんが、それ自体が人生を豊かにしてくれるという意味です。
“Strive for excellence, not perfection.”
(完璧を目指さずに、卓越を目指せ)
このことわざは、20世紀のアメリカの経営学者トマス・J・ピーターズの言葉と言われています。完璧を目指すことは不可能であり、むしろ失敗を恐れずに挑戦し続けることが重要であるという意味です。
“Never give up on your dreams.”
(夢をあきらめないで)
このことわざは、様々な人が言ってきた言葉です。夢を実現することは簡単ではありませんが、あきらめずに努力し続けることが大切であるという意味です。
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似た意味の日本語のことわざ
「学びは人を成長させる」
「老いて学ばざれば、徒らに老ゆるのみ」
これらのことわざは、人は一生涯学び続けることで成長することができるとという意味です。ダンテの名言も、人間は徳と知識を追求することで、より充実した人生を送ることができるという考えに基づいています。
「人間は目的を持って生きる」
「目標がなければ、努力する意味がない」
これらのことわざは、人は何のために生きるのかという目的意識を持つことが重要であるという意味です。ダンテの名言も、人間は単に生存することではなく、徳と知識を追求することで、より高尚な存在へと成長することが求められているという考えに基づいています。
「怒りは敵なり」
「感情に流されず、冷静に判断する」
これらのことわざは、人間は感情に流されることなく、理性と知性に基づいて行動すべきであるという意味です。ダンテの名言も、人間は獣のように本能に支配されるのではなく、理性と知性を活かして徳と知識を追求することで、真の人間としての成長を遂げることができるという考えに基づいています。
「己を磨いて人を磨く」
「人のために尽くすことが、自分自身のためにもなる」
これらのことわざは、人間は社会の一員として、互いに協力し合いながら生きていくべきであるという意味です。ダンテの名言も、人間は単に個人の利益を追求するのではなく、社会全体にとってより良い世界を作るために貢献すべきであるという考えに基づいています。
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ダンテの生い立ち
ダンテ・アリギエーリ(1265年 – 1321年)は、イタリアの詩人、哲学者、政治家であり、中世ヨーロッパにおける最も重要な文学者の一人です。彼の代表作である叙事詩『神曲』は、世界文学の最高傑作の一つと評価されています。
出生と幼少期
ダンテは、1265年5月、イタリアのフィレンツェに裕福な中流階級の家庭に生まれました。父ベルリンゲーロ・アリギエーリは、白ギベル派(神聖ローマ皇帝派)に属する政治家でした。母についてはほとんど情報が残っていません。
ダンテは幼い頃から文学や哲学に興味を持ち、ラテン語やトスカーナ方言で書かれた詩を読み、学びました。また、修道院に通い、神学や論理学などの教育を受けました。
青年期:政治活動と恋愛
1280年代、ダンテはフィレンツェの政治に積極的に参加し、白ギベル派の支持者として活躍しました。1295年には、白ギベル派の勝利によって、ダンテ自身も市政に参加するようになりました。
しかし、1302年、黒ギベル派(教皇派)がフィレンツェを掌握すると、ダンテは白ギベル派の支持者として追放されてしまいます。その後、ダンテは各地を放浪しながら、詩作や哲学研究に専念することになります。
ダンテの青年期には、彼の人生に大きな影響を与えた二人の女性との恋愛がありました。
ベアトリーチェ・ポルティーナリ: ダンテが9歳の時に初めて出会い、生涯にわたって愛し続けた女性です。ベアトリーチェは1290年に亡くなりますが、ダンテは彼女を『神曲』の中で理想的な女性として描き上げています。
ジェンマ・ドナティ: ダンテが追放された後に愛した女性です。ダンテはジェンマと結婚し、子供をもうけましたが、二人はその後別居しています。
晩年
ダンテは、晩年をラヴェンナで過ごし、文筆活動に専念しました。『神曲』以外にも、『新生』『宴』『帝政論』などの作品を執筆しました。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(377)「華麗なるギャツビー」で有名な米国人作家スコット・フィッツジェラルドの名言 Never confuse a single defeat with a final defeat.(七転び八起き)
https://www.eionken.co.jp/note/francis-scott-key-fitzgerald-3/
心に響く英語ことわざ(379)「クリスマス・キャロル」で有名な英国作家チャールズ・ディケンズの名言 I never could have done what I have done without the habits of punctuality, order, and diligence, without the determination to concentrate myself on one subject at a time.(継続は力なり)
https://www.eionken.co.jp/note/charles-dickens/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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