- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ1
公開日
2025.04.02
更新日
2025.08.31

心に響く英語ことわざ(370)ロシアの文豪ドストエフスキーの名言 Man only likes to count his troubles; he doesn’t calculate his happiness.(感謝忘れるべからず)
“Man only likes to count his troubles; he doesn’t calculate his happiness.”
直訳は「人は自分の悩みばかり数え、幸福を計算しようとしない」で、似た意味の日本語のことわざに「感謝忘れるべからず」があります。
ドストエフスキーの名言”Man only likes to count his troubles; he doesn’t calculate his happiness.”の意味
ドストエフスキー(Fyodor Dostoevsky)のこの名言は、人間の心理的な傾向について洞察力のある考察を述べたものであり、様々な解釈が可能です。
人間のネガティブ思考への傾向
この名言は、人間がネガティブな出来事に意識を向けやすく、ポジティブな出来事を軽視しがちな傾向を指摘していると言えます。人は、問題や困難に直面すると、それらに多くのエネルギーと時間を費やしがちです。一方、日常生活の中で起こる小さな幸せや喜びは、見過ごされがちです。
幸福の捉え方の難しさ
幸福は、客観的な指標で測定できるものではなく、主観的な体験であるため、計算するのは難しいものです。何が人を幸せにするかは、人によって異なるため、普遍的な幸福の尺度はありません。
感謝の気持ちの重要性
この名言は、私たちが自分の人生にある良いことに感謝するよう促しています。私たちは、自分の悩みばかりに目を向けるのではなく、日々の生活の中で起こる小さな幸せや喜びに意識を向けることで、より幸福を感じられるようになるでしょう。
視点を変えることの重要性
この名言は、物事の見方を変えれば、幸福の捉え方も変わることを示唆しています。私たちは、自分の悩みばかりに目を向けるのではなく、良いことに目を向けることで、より前向きな人生を送ることができるでしょう。
ドストエフスキーはこの名言を通して、私たちが自分の人生の中で起こる良いことに感謝し、より幸福な人生を送るためのヒントを与えてくれているのです。
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似た意味の英語のことわざ
“Counting your blessings.”
自分の持っている良いことに感謝すること。
“Every cloud has a silver lining.”
どんな悪い出来事にも良い面がある。
“Look on the bright side.”
物事を前向きに考える。
“Gratitude is the key to happiness.”
感謝の気持ちは幸福の鍵である。
“We often take for granted the good things in life.”
私たちは、人生の良いことに感謝しすぎている。
“Comparison is the thief of joy.”
他の人と比べることは喜びの泥棒である。
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似た意味の日本語のことわざ
「感謝忘れるべからず」
自分が持っている良いことに感謝するべきであるという意味のことわざです。これは、私たちはついつい自分の足りない部分や不満ばかりに目を向けがちですが、実は自分にはたくさんの恵みがあることに気づくことが大切であることを示唆しています。
「知足常楽」(ちそくじょうらく)
自分に与えられたものに満足すれば、心が安らかになるという意味のことわざです。これは、私たちは常に何かを求めようとしますが、実は今自分が持っているものが一番の幸せであることに気づくことが大切であることを示唆しています。
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ドストエフスキーの生い立ち:苦難と情熱に彩られた少年時代
モスクワでの誕生と恵まれた幼少期
フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキーは、1821年11月11日(新暦)、ロシア帝国の首都モスクワで生まれました。父ミハイル・アンドレーヴィチ・ドストエフスキーは、貧民救済病院の医師であり、後に院長を務めました。母マリア・フョードロヴナ・ネチャエヴァは、裕福な商人の娘でした。
ドストエフスキーは、幼少期をモスクワのマリインスキー貧民救済病院の敷地内で過ごしました。この病院は、貧しい人々や孤児を収容する施設でした。ドストエフスキーは、恵まれた環境で育ちましたが、幼い頃から病弱でした。また、8歳の時に母が亡くなり、10歳の時には父が再婚しました。
ペテルブルクでの教育と文学への目覚め
16歳になったドストエフスキーは、サンクトペテルブルクの陸軍中央工兵学校に入学しました。この学校は、ロシア帝国で最も優秀な教育機関の一つであり、ドストエフスキーはここでエンジニアとしての訓練を受けました。
しかし、ドストエフスキーはエンジニアになるよりも、文学者になることを夢見ていました。在学中にフランス語を学び、バルザックやゴーゴリなどの作品を読みふけりました。また、1843年には、フランス語から翻訳したバルザックの小説『ウージェニー・グランデ』を出版しました。
挫折と苦難:シベリア流刑と作家としての苦闘
1844年、ドストエフスキーは陸軍中央工兵学校を卒業し、工兵局に勤務しました。しかし、役所仕事は性に合わず、すぐに退職して作家としての道を歩み始めました。
1846年には、処女作となる長編小説『貧しき人々』を出版し、文壇にデビューしました。この作品は高い評価を受け、ドストエフスキーは新進気鋭の作家として注目されるようになりました。
しかし、ドストエフスキーの順風満帆な作家生活は長くは続きませんでした。1849年、ドストエフスキーはペトラシェフスキーサークルと呼ばれる秘密結社に参加したとして逮捕されました。この結社は、ロシアの政治体制を批判する活動を行っており、ドストエフスキーは反逆罪で有罪判決を受けました。
ドストエフスキーは、シベリアのオムスク流刑地に4年間投獄されました。流刑生活は過酷でしたが、ドストエフスキーはそこで多くの作品を書き上げました。代表作の一つである『死の家の記録』は、この時の経験を基に書かれたものです。
1859年、ドストエフスキーは赦免され、ペテルブルクに戻りました。その後、彼は作家活動を再開し、『罪と罰』、『白痴』、『悪霊』、『カラマーゾフの兄弟』などの名作を生み出しました。
ドストエフスキーの人生は、苦難と栄光に満ちたものでした。彼は、シベリア流刑という過酷な経験を乗り越え、偉大な作家として歴史に名を残しました。
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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