- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.04

心に響く英語ことわざ(298)英国女流作家ジョージ・エリオットの名言 Our words have wings, but fly not where we would.(言った言葉は花にも返らず)
” Our words have wings, but fly not where we would.”
直訳は「どんなことにも必ず教訓が含まれている、見つけようとさえ思えば」で、似た日本語のことわざに「言った言葉は花にも返らず」があります。
ジョージ・エリオットの名言”Our words have wings, but fly not where we would.”の意味
ジョージ・エリオット(George Elliott: 本名Mary Anne Evans)のこの名言は、1861年に出版されたエリオットの小説 『スペインのジプシー』 の第3巻に登場します。この小説の中で、主人公のフェドラは、愛する男性との別れを悲しみ、以下のように語ります。
“Our words have wings, but fly not where we would.”
私たちの言葉には翼があるが、思うように飛んでいかない。
“We cannot doff our memories, nor make them dumb.”
私たちは記憶を脱ぎ捨てることも、黙らせることもできない。
“They are our shadows, and will follow us.“
記憶は私たちの影であり、私たちを追いかけてくる。
この名言は、言葉の力と限界について、深い洞察を与えてくれます。私たちは、言葉を使って自分の思いを伝えようとしますが、必ずしも思い通りに相手に伝わるとは限りません。言葉には、伝達しきれない複雑なニュアンスや感情が含まれているからです。
さらに、一度発した言葉は、取り消すことができません。言葉は翼を持ち、私たちの意図とは関係なく、思いがけない方向へ飛んでいき、人々に影響を与えます。
この名言は、私たちが言葉を使う際に、常に注意を払うべきことを教えてくれているのです。私たちは、自分の言葉を慎重に選び、相手のことを思いやりながら、コミュニケーションをとるように心がけなければなりません。
この名言の解釈は、人によって様々です。 以下は、いくつかの解釈例です。
言葉には力があるが、その力には限界がある。
私たちは、言葉を使って他人を傷つけたり、操ったりすることもできます。しかし、言葉を使って人を癒し、励ますこともできます。
コミュニケーションは難しい。
私たちは、自分の思いを正確に相手に伝えることはできません。常に誤解や曲解のリスクがあることを認識する必要があります。
私たちは、自分の言葉に責任を持つ必要がある。
一度発した言葉は、取り消すことはできません。私たちは、自分の言葉がどのような影響を与えるのかを常に意識する必要があります。
ジョージ・エリオット は、19世紀のイギリスを代表する小説家の一人です。彼女の作品は、人間心理の深い洞察と、社会への鋭い批判で知られています。この名言も、彼女の作品に込められた深いメッセージの一つと言えるでしょう。
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似た意味の英語のことわざ
Words are like leaves; they fall from the tree but the tree remains.”
(言葉は葉っぱのようなもの。葉は木から落ちるが、木は残る。)
このことわざは、言葉は一時的なものであり、真のコミュニケーションは言葉を超えたところで生まれることを意味しています。
You can’t put the toothpaste back in the tube.”
(絞り出した歯磨き粉をチューブに戻すことはできない。)
このことわざは、一度発した言葉は取り消すことができないことを意味しています。
“Once spoken, words can never be taken back.”
(一度発した言葉は、取り消すことはできない。)
このことわざは、言葉には責任を持つ必要があることを意味しています。
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似た意味の日本語のことわざ
「一言出す前に三度考えろ」
このことわざは、発言する前に、よく考えることが大切であることを意味しています。
「言った言葉は花にも返らず」
このことわざは、一度発した言葉は取り消すことができないことを意味しています。
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ジョージ・エリオットの生い立ち
ジョージ・エリオット、本名 メアリー・アン・エヴァンズ は、1819年11月22日にイギリス中部のワーウィックシャー州ヌニートンで生まれました。父親は土地差配人で、母親は後妻でした。エリオットは幼い頃から読書が大好きで、特に歴史や哲学の本をよく読んでいました。
8歳の時、エリオットはコヴェントリーにある寄宿学校に入学しました。しかし、母親が亡くなったため、2年後に学校を辞めて自宅に戻りました。その後、エリオットは父親から家庭教師教育を受け、古典や外国語などを学びました。
1832年、エリオットは13歳で伯父の家 に預けられました。伯父の家では、エリオットは厳格な宗教教育を受けました。しかし、エリオットは次第に宗教的な疑問を抱き始め、16歳の時に福音主義教会を離れました。
1841年、エリオットは22歳でコヴェントリーに戻り、姉と一緒に暮らしました。その後、エリオットは翻訳家やジャーナリストとして働き始めました。
1851年、エリオットは32歳で、評論誌『ウェストミンスター・レビュー』の副主筆になりました。この仕事を通じて、エリオットは多くの知識人と知り合いになりました。
1857年、エリオットは38歳で、男性名の ジョージ・エリオット で小説 『アダム・ビード』 を発表しました。この小説は、ヴィクトリア朝時代の田舎社会を舞台にした社会派小説で、大きな成功を収めました。
ジョージ・エリオット は、その後の20年間で、 『フロス湖畔の水車小屋』 (1859年)、 『サイラス・マーナー』 (1861年)、 『ミドルマーチ』 (1872年)、 『ダニエル・デロンダ』 (1876年) などの名作を次々と発表しました。これらの作品は、いずれも高い評価を得て、エリオットはヴィクトリア朝を代表する作家の一人となりました。
ジョージ・エリオット の生い立ちを振り返ると、彼女は幼い頃から読書や学問に親しみ、豊かな教養を身につけていました。また、社会派小説家として、ヴィクトリア朝時代の社会問題を鋭く描いた作品を残しました。
エリオット の作品は、現在でも世界中で読み継がれています。彼女の人生と作品は、私たちに多くの示唆を与えてくれるでしょう。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(297)「不思議の国のアリス」で有名な英国作家ルイス・キャロルの名言 Everything’s got a moral, if only you can find it.(世の中は教訓の宝庫)
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心に響く英語ことわざ(299)「人間喜劇」で有名なフランス人作家バルザックの名言 Reading brings us unknown friends.(本は知識の扉を開く鍵)
https://www.eionken.co.jp/note/honore-de-balzac-2/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
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・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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