- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(403)障害者の権利擁護活動家で有名だったヘレン・ケラーの名言 Face your deficiencies and acknowledge them; but do not let them master you. Let them teach you patience, sweetness, insight.(不撓不屈)
“Face your deficiencies and acknowledge them; but do not let them master you. Let them teach you patience, sweetness, insight.”
直訳は「自分の欠点と向き合い、それを認めなさい。しかし、欠点に支配されてはいけません。欠点から忍耐、優しさ、洞察力を学んでください」で、似た意味の日本語のことわざに「不撓不屈」(ふとうふくつ)があります。
“deficiency”は「不足、欠陥、不備」などを意味し、発音は“difíʃənsi”、音節は“de・fi・cien・cy”です。
“acknowledge”は「認める、承認する、同意する」などを意味し、発音は“æknɑ́lidʒ”、音節は“ac・knowl・edge”です。
ヘレン・ケラーの名言”Face your deficiencies and acknowledge them; but do not let them master you. Let them teach you patience, sweetness, insight.”の意味
ヘレン・ケラー(Helen Adams Keller)のこの名言は、以下のように解釈できます。
自分の欠点を受け入れ、向き合うこと
この名言の冒頭 “Face your deficiencies and acknowledge them” は、自分の欠点や弱さを否定したり、無視したりせず、しっかりと受け入れることの重要性を説いています。
私たちは誰もが完璧ではなく、何かしら欠点や苦手なこと、できないことがあります。しかし、そういったことを隠したり、言い訳したりするのではなく、まずありのままの自分を受け入れることが大切です。
欠点に支配されないこと
しかし、”but do not let them master you” という部分は、自分の欠点に囚われ、支配されてはいけないことを意味しています。
欠点を受け入れることは重要ですが、同時にそれを克服しようと努力することも大切です。自分の弱さを言い訳にせず、できることを増やしていくようにしましょう。
欠点から学ぶこと
そして、”Let them teach you patience, sweetness, insight.” という部分は、自分の欠点から学ぶことの重要性を強調しています。
欠点に直面することで、私たちは忍耐力、優しさ、洞察力などの大切なことを学ぶことができます。自分の弱さを克服しようと努力する過程で、より良い自分へと成長していくことができるのです。
この名言は、自分の欠点を受け入れ、向き合うこと、そしてそこから学ぶことの大切さを教えてくれます。欠点は決して悪いものではなく、むしろ私たちを成長させるための貴重な機会を与えてくれるものです。
ヘレン・ケラー自身が、盲ろうという重いハンディキャップを乗り越え、多くのことを成し遂げた人物であることを考えると、この名言は説得力があります。
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似た意味の英語のことわざ
“When life gives you lemons, make lemonade.”
意味:人生の酸っぱいレモンを与えられたら、レモネードを作ろう
解説:どんな困難な状況でも、前向きに捉え、そこから何か良いものを見つけ出そうとする姿勢を表しています。ヘレン・ケラーは、自分のハンディキャップを乗り越え、多くの人に勇気と希望を与えました。このことわざは、彼女のような生き方を象徴していると言えるでしょう。
“Failure is not the opposite of success, it’s part of it.”
意味:失敗は成功の反対ではなく、その一部である
解説:失敗を恐れることなく、チャレンジし続けることが大切であるという意味です。ヘレン・ケラーも、何度も失敗を経験しながらも、諦めずに努力し続けました。このことわざは、彼女の粘り強さを表しています。
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似た意味の日本語のことわざ
「不撓不屈」(ふとうふくつ)
意味:どんな困難にも屈しない強い意志
解説:どんな困難な状況でも、決して諦めずに努力し続けることの大切さを説いています。ヘレン・ケラーは、生まれつき視覚と聴覚を失いながらも、多くのことを成し遂げました。このことわざは、彼女のような強い意志を持つ人物を表しています。
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ヘレン・ケラーの生い立ち
誕生と初期
ヘレン・アダムス・ケラーは、1880年6月27日、アメリカ合衆国アラバマ州タスカンビアの裕福な家庭に生まれました。
父は南北戦争の南軍大尉アーサー・ケラー、母はケイト・アダムスでした。
生後19ヶ月の時、原因不明の高熱(猩紅熱とされています)にかかり、視覚と聴覚を失いました。
その後も言葉を発することができず、独自のコミュニケーション方法で意思疎通を図っていました。
アン・サリヴァンとの出会い
7歳の時、ヘレンは家庭教師としてアン・サリヴァンと出会います。
サリヴァンは盲ろう教育に携わっており、ヘレンに点字と指話によるコミュニケーション方法を教えました。
ヘレンは驚異的な学習速度で言葉とコミュニケーションを習得し、サリヴァンとの出会いは彼女の人生における転機となりました。
教育と学び
ヘレンはその後、パーキンス盲学校、ライト・ヒューマソン聾学校、ラドクリフ女子大学に進学しました。
ラドクリフ女子大学では、障害を持つ学生としては初めて入学を許可され、1904年に英文学士号を取得しました。
大学卒業後も学び続け、1918年にはケンブリッジ大学からも名誉博士号を授与されました。
作家・活動家としての生涯
ヘレンは作家としても活躍し、自伝『わたしの生涯』をはじめ、多くの著作を発表しました。
また、障害者権利活動家としても活動し、世界中の障害者たちの声の代弁者となりました。
1924年にはアメリカ盲人財団の設立に尽力し、その初代ダイレクターを務めました。
功績と影響
ヘレン・ケラーは、世界で最も有名な障害者活動家の一人であり、多くの人々に勇気と希望を与え続けています。
彼女の生涯は、どんな困難にも負けずに夢を追いかけることの大切さを教えてくれます。
ヘレンの言葉や生き方は、今日も多くの人々に影響を与え続けています。
補足
ヘレン・ケラーは、サリヴァンとの出会いをきっかけに、点字と指話によるコミュニケーション方法だけでなく、口話法も習得しました。
また、タイプライターや録音機を使うことも覚え、多くの著作を世に送り出しました。
ヘレンは旅行家としても知られており、世界中を旅して講演活動を行いました。
ヘレンの生涯は、多くの映画やドラマ、書籍などで取り上げられています。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(402)米国大統領だったセオドア・ルーズベルトの名言 Great thoughts speak only to the thoughtful mind, but great actions speak to all mankind.(行動は雄弁よりも雄弁なり)
https://www.eionken.co.jp/note/theodore-roosevelt-jr-3/
心に響く英語ことわざ(404)近代看護教育に大きく貢献したナイチンゲール の名言 I think one’s feelings waste themselves in words; they ought all to be distilled into actions which bring results.(言行一致)
https://www.eionken.co.jp/note/florence-nightingale/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
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・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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