- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ1
公開日
2025.04.02
更新日
2025.08.31

心に響く英語ことわざ(382)「人間喜劇」で有名なフランス人作家バルザックの名言 The habits of life form the soul, and the soul forms the countenance.(習慣は第二の天性)
“The habits of life form the soul, and the soul forms the countenance.”
直訳は「人生の習慣が魂を形作り、魂が顔つきを形作る」で、似た意味の日本語のことわざに「習慣は第二の天性」があります。
“countenance”は「顔つき、顔色、顔の表情」など意味し、発音は“káuntənəns”、音節は“coun・te・nance”です。
バルザックの名言”The habits of life form the soul, and the soul forms the countenance.”の意味
バルザック(Honore de Balzac)のこの名言は、私たちの習慣が私たちの性格や価値観を形成し、それが最終的には顔つきにも現れる ということを意味しています。
この名言には、いくつかの解釈があります。
習慣の重要性
この名言は、習慣が私たちの生活に与える影響の大きさを強調しています。私たちは毎日同じことを繰り返すことで、無意識のうちに自分の性格や価値観を形成していくのです。良い習慣を身につけることは、より良い人生を送るための鍵となります。
内面と外面のつながり
この名言は、内面と外面のつながりを示唆しています。私たちの性格や価値観は、顔つきにも現れるというのです。つまり、人の顔を見れば、その人の性格や価値観がある程度推測できるということです。
自己表現
この名言は、顔つきが自己表現の一つの手段であることを示唆しています。私たちは、顔つきを使って自分の感情や考えを表現することができます。
この名言は、私たちの人生について深く考えさせてくれるものです。私たちは、自分の習慣や価値観を意識的に選択し、より良い人生を送るために努力する必要があります。また、人の顔つきを見ることで、その人の性格や価値観をある程度推測することができます。
以下、この名言に関するその他の情報です。
出所: バルザックの小説 “Le Cousin Pons” (従兄ポンス)
文脈: この名言は、主人公のポンスが、自分の顔つきについて考えている場面で語られます。ポンスは、自分が良い顔つきではないことを気にしています。しかし、バルザックはこの名言を通して、顔つきは単なる外見ではなく、内面の反映であることを示唆しているのです。
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似た意味の英語のことわざ
“The mind is the architect of its own fate.”
(心は自分の運命の設計者である)
出所: ギリシャの哲学者ヘラクレイトスの言葉
私たちの考え方が私たちの運命を決定するということを意味しています。私たちは、自分の考え方をコントロールすることで、より良い人生を送ることができるのです。
“We are what we repeatedly do. Excellence, then, is not an act, but a habit.”
(私たちは繰り返し行うものである。だから、卓越性は行為ではなく、習慣である)
出所: ギリシャの哲学者アリストテレスの言葉
繰り返し行うことが習慣となり、それが卓越性につながるということを意味しています。優れた習慣を身につけることで、私たちはより良い人生を送ることができるのです。
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似た意味の日本語のことわざ
「習慣は第二の天性」
このことわざは、繰り返し行う習慣は、生まれつき持った性質と同じくらい強い影響力を持つという意味です。良い習慣を身につけることで、私たちはより良い人生を送ることができるのです。
「顔は心の鏡」
このことわざは、人の顔つきは、その人の性格や心境を反映しているという意味です。つまり、人の顔を見れば、その人の性格や心境がある程度推測できるということです。
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オノレ・ド・バルザックの生い立ち
オノレ・ド・バルザックは、19世紀フランスを代表する小説家として知られています。大作小説群「人間喜劇」で有名ですが、その波乱万丈な生い立ちは、彼の作品にも大きな影響を与えました。
幼少期
1799年5月20日、フランス中部の都市トゥールにて、地方官僚ベルナール=フランソワ・バルザックと、アンリエット=ソフィー・サルランディエールの間の末っ子として誕生。
父親はすでに50歳を超えており、母親は30歳年下でした。
生後すぐに乳母に預けられ、幼少期はほとんど母親と過ごさなかったと言われています。
1806年、父親がパリの官僚職に就いたため、一家はパリへ移住。
1814年、父の退職により一家はパリ郊外へ移住しますが、バルザックは1人だけパリに残留し、寄宿学校に通いながら学業に励みました。
青年期
1819年、法科大学を卒業する予定でしたが、弁護士になることを断念し、作家を志望。
しかし、なかなか名声は得られず、生活費を稼ぐために様々な仕事に就きました。
その中には、弁護士事務員、出版社の店員、印刷所の経営などがあります。
また、この時期に多くの恋愛を経験し、その経験は後の作品にも反映されています。
1820年代後半、バルザックは小説執筆に専念し始めます。
1829年、「シャグリーンの皮」を発表し、作家としての名声を確立しました。
晩年
1830年代以降、バルザックは「人間喜劇」の執筆に注力します。
「人間喜劇」は、137編の長編・短編小説からなる大河小説で、当時のフランス社会を様々な角度から描いた壮大な作品です。
バルザックは、膨大な資料を収集し、綿密な取材を行いながら、「人間喜劇」を執筆しました。
その結果、「人間喜劇」は当時のフランス社会をリアルかつ詳細に描写した作品となり、フランス文学史上最も重要な作品の一つと評価されています。
バルザックは、非常に多才な人物であり、小説家以外にも、劇作家、評論家、ジャーナリストなど様々な顔を持っていました。
また、ビジネスにも才能を発揮し、印刷所や出版社を経営していました。
しかし、晩年は多額の借金を抱え、苦しい生活を送っていました。
バルザックは、生涯独身でしたが、ウクライナの貴族令嬢エヴゲーニヤ・グレホンカと愛人関係にあり、1人の娘をもうけました。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(381)英国女流作家ジョージ・エリオットの名言 The responsibility of tolerance lies with those who have the wider vision.(百人に聞けば百通りの答えがある)
https://www.eionken.co.jp/note/george-eliot-2/
心に響く英語ことわざ(383)「ドン・キホーテ」で有名なスペイン人作家セルバンテスの名言 True valor lies between cowardice and rashness.(勇気は思案の後に起こるもの、無謀は勇士の恥)
https://www.eionken.co.jp/note/miguel-de-cervantes-2/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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