- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.04

心に響く英語ことわざ(263)ドイツの哲学者カントの名言 To be is to do.(存在することは行うこと)
”To be is to do.”
直訳は「存在することは行うことだ」で、似た意味の英語のことわざに「言葉よりも行動が雄弁」があります。
カントの名言”To be is to do.”の意味
カント(Immanuel Kant)の名言「存在することとは行うことである」は、彼の代表的な著作の一つである『実践理性批判』の中で述べられたものです。この言葉は、単に「何かをすること」という意味ではなく、能動的に世界と関わり、自身の存在を形作っていくことを意味しています。
カント哲学においては、人間は受動的な存在ではなく、自ら考え、判断し、行動することで世界を認識し、自身の存在を意味づけていくという考え方が重要です。私たちは単に外界の刺激を受け取るだけの存在ではなく、自らの意志で選択し、行動することで、自分自身の人生を創造していくのです。
この名言は、単なる知識や信念だけでは真の意味での存在とは言えないことを示唆しています。私たちは、学んだことを実際に実践し、世界と関わることで、初めて真の意味で存在していると言えるのです。
「存在することとは行うことである」という考え方は、倫理学においても重要な意味を持ちます。カントは、道徳的な行為とは、単に規則を守るだけのことではなく、自らの意志に基づいて善を行うことであると主張しました。私たちは、他者への義務や社会的な規範に従うだけでなく、自らの良心 に従って行動することで、真の意味で道徳的な存在となることができるのです。
カントの名言は、私たちがどのように生き、どのように世界と関わるべきかについて、深い示唆を与えてくれます。単に受け身で生きるのではなく、能動的に世界と関わり、自身の存在を形作っていくことが、人間としての生きがいとなることを教えてくれます。
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似た意味の英語のことわざ
“Actions speak louder than words.”
(言葉よりも行動が雄弁である)
このことわざは、真意は言葉よりも行動で示されるという意味です。「To be is to do.」と同様に、単に考えたり話したりするだけでなく、実際に何か行動を起こすことが重要であることを強調しています。
“By their fruits you shall know them.”
(その果実によって彼らを判断せよ)
このことわざは、人の真価は、その人の行動や成果によって判断すべきであるという意味です。外見や言葉だけで人を判断するのではなく、実際にどのような行動を取るか、どのような成果を上げているかを見ることで、その人の真価を知ることができるという考え方です。
“Well begun is half done.”
(始めが良ければ半分は成った)
このことわざは、物事は何事も最初が肝心であるという意味です。何かを始めるときは、しっかりと準備をして、良いスタートを切ることが重要です。そうすることで、その後の成功確率が高くなります。
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似た意味の日本語のことわざ
「坐して待つ」
このことわざは、何もしないでただ待っているだけでは何も起こらないという意味です。「To be is to do.」と同様に、目標を達成するためには、自ら行動を起こすことが重要であることを強調しています。
「石の上にも三年」
このことわざは、目標を達成するためには、長い間努力を続けることが大切であるという意味です。「To be is to do.」は、単発の行動ではなく、継続的な努力を必要とすることを示唆しています。
「不言実行」
このことわざは、多くを語らず、黙々と行動することという意味です。「To be is to do.」は、言葉よりも行動が重要であることを強調しています。
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カントの生い立ち
イマヌエル・カントは、1724年4月22日、プロイセン王国(現ドイツ)のケーニヒスベルク(現ロシア領カリーニングラード)に生まれました。敬虔なルター派の家庭で育ち、幼い頃から勉学に励みました。
16歳でケーニヒスベルク大学に入学し、当初は神学を専攻していましたが、その後、自然科学や哲学に興味を持ち、そちらの方向へ研究を深めました。大学卒業後は家庭教師や私講師として生計を立てながら、研究を続けました。
1755年に大学に Privatdozent(私講師)として戻り、自然科学や哲学に関する講義を行いました。1770年には教授に就任し、論理学、形而上学、倫理学、美学など、幅広い分野で研究と教育を行いました。
カントは生涯の大半をケーニヒスベルクで過ごし、その地を離れたことはほとんどありませんでした。規律正しい生活を送ることで知られ、毎日朝4時に起床し、散歩や読書、執筆に時間を費やしました。
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この記事もご覧ください。
フランスの数学者パスカルの名言(262)Man is but a reed, the most feeble thing in nature, but he is a thinking reed.(人間は考える葦)
https://www.eionken.co.jp/note/blaise-pascal-2/
心に響く英語ことわざ(264)フランスの思想家サルトルの名言 A lost battle is a battle one thinks one has lost.(諦めなければ、道は開ける)
https://www.eionken.co.jp/note/jean-paul-sartre-2/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
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・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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