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公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(349)イタリアの政治思想家マキャベリの名言 Whoever desires constant success must change his conduct with the times.(時勢は一変する)
“Whoever desires constant success must change his conduct with the times.”
直訳は「常に成功を収めたい人は、時代に合わせて自身の行動を変えなければならない」で、似た日本語のことわざに「時勢は一変する」があります。
マキャベリの名言”Whoever desires constant success must change his conduct with the times.”の意味
マキャベリ(Niccolò Machiavelli)の有名なこの名言は、現代社会においても非常に重要な意味を持つ言葉です。この名言をより深く理解するために、以下に詳細な解説と考察を行います。
名言の背景
この名言は、マキャベリの代表作である『君主論』の中で述べられています。『君主論』は、16世紀初頭のイタリアを舞台に、当時の政治情勢を分析し、理想的な君主のあり方を論じた書物です。
当時のイタリアは、戦争や政治的混乱が絶えない時代でした。そのような状況の中で、マキャベリは、成功を収め続けるためには、時代に合わせて自身の行動を変えなければならないと説いたのです。
名言の意味
この名言は、以下の3つの要素に分解して理解することができます。
“Whoever desires constant success”:常に成功を望む人
“must change his conduct”:自身の行動を変えなければならない
“with the times”:時代に合わせて
つまり「常に成功を収めたい人は、時代に合わせて自身の行動を変えなければならない」**という意味になります。
名言の重要性
この名言が重要な理由は、以下の3つが挙げられます。
時代は常に変化している:
社会情勢、経済状況、技術革新など、時代は常に変化しています。成功するためには、これらの変化に敏感に反応し、自身の行動を適応させる必要があります。
固定観念は成功の妨げになる:
過去の成功体験や固定観念にとらわれ、変化に対応できない人は、いつしか時代に取り残されてしまいます。成功するためには、常に新しい知識や情報を学び、柔軟な思考を持つことが重要です。
挑戦と失敗を恐れない:
時代に合わせて行動を変えることは、時にリスクを伴います。しかし、挑戦を恐れずに、失敗から学び続けることで、人は成長し、より大きな成功を収めることができるのです。
現代社会への応用
この名言は、現代社会においても非常に重要な意味を持ちます。グローバル化や情報技術の発展により、社会の変化はますます加速しています。成功するためには、常に新しい情報を取り入れ、時代の変化に対応できる人材になることが求められています。
また、AIやロボットなどの技術革新によって、従来の仕事が失われる可能性もあります。そのような状況の中で生き残るためには、新しいスキルを習得し、変化に対応できる柔軟な思考を持つことが重要です。
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似た意味の英語のことわざ
“If you want to stay ahead of the curve, you have to be willing to bend.”
意味:時代の先端を行きたいなら、柔軟に対応する必要がある。
解説:このことわざは、時代に合わせて変化することを恐れないことが重要であることを強調しています。変化を拒絶して固執していると、時代に取り残されてしまう可能性があります。
“The only constant is change.”
意味:唯一の不変は変化である。
解説:このことわざは、時代は常に変化しており、その変化に適応することが成功の鍵であることを示しています。変化を恐れるのではなく、むしろ変化をチャンスと捉えることが重要です。
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似た意味の日本語のことわざ
“時流に乗る” (じりゅうにのる)
意味:時代の流れに乗ること。
解説:このことわざは、時代に合わせて行動することで、成功を収められることを示しています。変化を恐れることなく、積極的に行動することが重要です。
“時勢は一変する” (じせいはいっぺんする)
意味:時代の状況は突然変化する。
解説:このことわざは、時代は常に変化しており、それに対応できない人は成功できないことを示しています。常に情報収集を行い、変化に備えることが重要です。
“適者生存” (てきしゃせいぞん)
意味:自然界において、環境に適応できる生物だけが生き残ることができる。
解説:このことわざは、時代に合わせて行動することで、生き残ることができることを示しています。変化を恐れずに、常に成長し続けることが重要です。
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マキャベリの生い立ち
幼少期
ニッコロ・マキャヴェッリは、1469年5月3日にイタリアのフィレンツェ共和国で生まれました。
裕福な法学者である父ベルナルド・ディ・ニッコロ・マキャヴェッリと、その妻バルトロメーア・ディ・ステーファノ・ネッリの間に三番目の子供として生まれました。
マキャヴェッリ家は、フィレンツェ共和国の要職を幾人か輩出した名家で、一説にはトスカーナの旧侯爵家の子孫であるともされています。
マキャヴェッリは、他の兄弟たちと共に父母の愛情に包まれ、上流階級の必須教養であったローマ・ギリシャ古典やラテン語等を学んで育ちました。
当時のフィレンツェ共和国は、ロレンツォ・デ・メディチによる独裁、メディチ家追放、サヴォナローラの神政とその失脚・処刑など、激動の時代を迎えていました。
青年期
1494年、メディチ家がフィレンツェから追放されると、マキャヴェッリは25歳でフィレンツェ共和国政府に仕官し、外交官、軍人、官僚として様々な役職を歴任しました。
マキャヴェッリは、外交官としてフランス、スペイン、神聖ローマ帝国などの諸国を歴訪し、国際政治に関する深い知識と経験を積みました。
また、軍人としてフィレンツェ共和国の軍隊を指揮し、戦争の残酷さを目の当たりにしました。
官僚としては、財政、外交、軍事など幅広い分野で活躍し、フィレンツェ共和国の政治に大きな影響を与えました。
晩年
1512年、メディチ家がフィレンツェに再び返り咲くと、マキャヴェッリはメディチ家によって投獄され、拷問を受けました。
その後、釈放されたものの、公職に就くことは許されず、田舎暮らしを余儀なくされました。
田舎暮らしの中で、マキャヴェッリは政治に関する著作活動に専念し、『君主論』、『戦術論』、『フィレンツェ史』などの名著を執筆しました。
1527年、メディチ家に対する反乱が失敗すると、マキャヴェッリは再び投獄されました。
マキャヴェリの生い立ちは、激動の時代を生き抜いたフィレンツェ共和国の人々の姿と、政治の現実を映し出す鏡のようなものです。彼の経験と著作は、現代においても政治学、外交学、歴史学など様々な分野で研究されており、多くの人々に影響を与え続けています。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(348)現代経営学の父ピーター・ドラッカーの名言 Management is doing things right; leadership is doing the right things.(リーダーシップとは正しいことを行うこと)
https://www.eionken.co.jp/note/peter-ferdinand-drucker-3/
心に響く英語ことわざ(350)社会心理学者のエーリッヒ・フロムの名言 The only truly affluent are those who do not want more than they have.(足るを知る者は富めるなり)
https://www.eionken.co.jp/note/erich-fromm/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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