- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.06

心に響く英語ことわざ(486)人種差別撤廃運動で有名なキング牧師の名言 The ultimate measure of a man is not where he stands in moments of comfort and convenience, but where he stands at times of challenge and controversy.(艱難汝を強す)
“The ultimate measure of a man is not where he stands in moments of comfort and convenience, but where he stands at times of challenge and controversy.”
直訳は「人間の真価が問われるのは、安楽な時や便利な時ではなく、困難や議論の最中である」で、似た意味のことわざに「艱難汝を強す(かんなんなんじをつよす)」があります。
キング牧師(Martin Luther King Jr.)の名言 The ultimate measure of a man is not where he stands in moments of comfort and convenience, but where he stands at times of challenge and controversy.の意味
この言葉は、人が本当にどのような人物であるかを知るためには、楽な時や都合の良い時ではなく、困難な状況や意見が対立する状況に置かれた時こそ、その人の真価がわかるという意味です。つまり、
困難な状況での行動:
困難な状況に直面したとき、その人がどのように行動するかによって、その人の人格や価値観がわかる。
意見の対立:
異なる意見を持つ人々と対峙したとき、その人がどのように考え、行動するかによって、その人の寛容さや包容力、そしてリーダーシップが試される。
なぜこの言葉が重要なのか
この言葉は、私たちが自分自身や周囲の人々を評価する上で重要な視点を与えてくれます。
外見ではなく内面:
人の外見や普段の行動だけでは、その人の本当の姿を見抜くことはできません。困難な状況に直面したとき、初めてその人の本質が現れることがあるからです。
成長の機会:
困難な状況は、私たちが自分自身を成長させるための貴重な機会となります。困難を乗り越えることで、私たちはより強く、賢く、そして人間的に成長することができます。
社会への貢献:
社会には、常に様々な問題や課題が存在します。これらの問題に対して、私たちはただ傍観者でいるのではなく、積極的に立ち向かう勇気を持つことが求められます。
キング牧師の背景と関連性
キング牧師は、アメリカにおける公民権運動の指導者として、人種差別撤廃のために生涯を捧げました。彼は、数々のデモや抗議活動を行い、多くの困難や迫害に直面しました。この名言は、彼が自身の経験を通して得た深い洞察を表しており、彼の活動がいかに困難なものであったかを示しています。
まとめ
キング牧師のこの名言は、私たちに、困難な状況こそが、真の自分を見つけるためのチャンスであることを教えてくれます。彼の言葉は、私たちがより良い社会を築くために、勇気を持って行動することを促すものです。
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似た意味の英語のことわざ
Actions speak louder than words.(行動は言葉よりも雄弁に語る。) これは、言葉でいくら立派なことを言っても、実際の行動が伴っていなければ意味がないという意味です。キング牧師の名言と同様に、困難な状況での行動こそが、その人の真価を示すという考え方を表しています。
A smooth sea never made a skilled sailor.(穏やかな海は優れた船乗りを作らない。) これは、困難な状況を経験せずに、人は成長できないという意味です。キング牧師の名言と同様に、困難こそが人を成長させるという考え方を表しています。
Adversity makes a man, and prosperity makes a fool.(逆境は人を作り、順境は人を愚かにする。) これは、困難な状況は人を成長させ、楽な状況は人を堕落させるという意味です。キング牧師の名言と同様に、困難な状況での行動が、その人の人間性を試すという考え方を表しています。
You can’t judge a book by its cover.(本の表紙で中身を判断できない。) これは、外見や普段の行動だけで人を判断してはいけないという意味です。キング牧師の名言と同様に、困難な状況に直面したとき、初めてその人の本質が現れるという考え方を表しています。
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似た意味の日本語のことわざ
艱難汝を強す(かんなんなんじをつよす): 困難な状況は人を強くするという意味です。キング牧師の名言と同様に、困難な経験こそが、人を成長させるという考え方を表しています。
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マーティン・ルーサー・キング Jr. の生い立ち
マーティン・ルーサー・キング Jr.(キング牧師)は、アメリカ合衆国における公民権運動の指導者として知られ、非暴力抵抗運動を率いてアフリカ系アメリカ人の公民権獲得に尽力しました。彼の生い立ちには、後の活動に大きな影響を与えた出来事や環境が数多くあります。
幼少期と教育
生誕: 1929年1月15日、アメリカ合衆国ジョージア州アトランタで、牧師の家庭に生まれました。
宗教的な環境: 父も祖父も牧師という家庭環境で育ち、幼い頃から教会に通い、キリスト教の教えに触れていました。
飛び級と優秀な成績: 幼少期から聡明で、学校では飛び級をするほど優秀な成績を収めました。
モアハウス大学入学: 15歳でモアハウス大学に入学し、そこで黒人としてのアイデンティティを意識し始めます。
牧師としての道と公民権運動への参加
クロザー神学校、ボストン大学大学院: モアハウス大学卒業後、クロザー神学校、ボストン大学大学院で神学を学び、牧師としての道を歩み始めます。
モンゴメリーバスボイコット: 1955年、アラバマ州モンゴメリーでバス乗車拒否事件が発生。キング牧師は、この事件をきっかけに非暴力抵抗運動の指導者として頭角を現し、バスボイコット運動を組織しました。
南部キリスト教指導者会議 (SCLC) の設立: バスボイコット運動の成功を機に、南部キリスト教指導者会議 (SCLC) を設立し、公民権運動を全国規模に広げます。
非暴力抵抗運動の指導者として
ウォーキング・フォー・フリーダム: 各地でデモ行進やボイコット運動を組織し、非暴力の原則に基づいて人種差別撤廃を求めました。
ノーベル平和賞受賞: 1964年、非暴力抵抗運動の功績により、ノーベル平和賞を受賞。
「I Have a Dream」演説: 1963年、ワシントン大行進において行った「I Have a Dream」演説は、公民権運動の歴史に残る名演説となりました。
暗殺とその後
暗殺: 1968年4月4日、テネシー州メンフィスで暗殺されました。
法の制定: キング牧師の死後、公民権法や投票権法が成立し、アメリカ社会における人種差別撤廃に向けた大きな一歩が踏み出されました。
キング牧師の思想と影響
キング牧師は、非暴力の原則に基づいた公民権運動を展開し、アメリカ社会の変革に大きな影響を与えました。彼の思想は、人種差別だけでなく、あらゆる形の不平等や差別に対して闘う人々にインスピレーションを与え続けています。
主な思想
非暴力抵抗: 暴力に訴えることなく、平和的な手段で社会を変革していくという思想。
愛と平等: 全ての人々が平等に尊重されるべきという信念。
正義と自由: 社会正義の実現と、全ての人の自由を確立することの重要性。
キング牧師の生い立ちと活動は、私たちに、困難な状況でも諦めずに平和的に闘い、より良い社会を築いていくことの大切さを教えてくれます。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(485)米国南北戦争に勝利し奴隷制度を廃止したエイブラハム・リンカーンの名言 I walk slowly, but I never walk backward.(牛歩は千里をゆく)
https://www.eionken.co.jp/note/abraham-lincoln-b/
心に響く英語ことわざ(487)第二次世界大戦中に英国首相だったウィンストン・チャーチルの名言 We make a living by what we get, but we make a life by what we give.(与えることの喜びを知る)
https://www.eionken.co.jp/note/winston-churchill-b/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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