- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ1
公開日
2025.04.02
更新日
2025.08.31

心に響く英語ことわざ(383)「ドン・キホーテ」で有名なスペイン人作家セルバンテスの名言 True valor lies between cowardice and rashness.(勇気は思案の後に起こるもの、無謀は勇士の恥)
“True valor lies between cowardice and rashness.”
直訳は「真の勇気は臆病と無謀の間にある」で、似た意味の日本語のことわざに「勇気は思案の後に起こるもの、無謀は勇士の恥」があります。
“valor”は「(戦場の)勇気、勇敢さ、武勇」などを意味し、発音は“vǽlər”、音節は“val・or”です。
“cowardice”は「臆病、小胆」などを意味し、発音は“káuərdis”、音節は“cow・ard・ice”です。
“rashness”は「無分別、軽率」などを意味し、発音は“rǽʃnəs”、音節“rash・ness”です
セルバンテスの名言”True valor lies between cowardice and rashness.”の意味
セルバンテス(Miguel de Cervantes)のこの名言は、スペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスの代表作『ドン・キホーテ』の中で語られたものです。
「真の勇気」 とは、臆病さと無謀さの二つの極端の間にある状態を指します。
臆病さ とは、危険を恐れ、挑戦することを避けることです。
無謀さ とは、リスクを顧みず、無鉄砲に行動することです。
真の勇気を持つ人は、これらの二つの極端を避け、状況を冷静に判断し、適切な行動を取ることができます。
具体的には、以下の要素が真の勇気の構成要素として挙げられます。
冷静さ: 恐怖に負けず、状況を客観的に判断する能力
決断力: 困難な状況でも、迅速かつ的確な判断を下す能力
責任感: 自分の行動の責任を負い、最後までやり遂げる意志
思いやり: 周囲の人々の状況を理解し、共感する気持ち
セルバンテスはこの名言を通して、真の勇気とは何かについて深い洞察を与えてくれます。
この名言は、私たちの人生において様々な場面で役立ちます。
例えば、以下のような場面で、真の勇気を持つことが重要です。
困難な課題に挑戦する時
プレッシャーがかかる状況で判断を下す時
危険な状況から自分自身や他の人を守る時
自分の信念のために立ち向かう時
真の勇気を持つことは簡単ではありません。しかし、この名言を心に留め、日々努力することで、より勇敢で強い自分自身に成長することができます。
補足
この名言は、状況に応じて適切な行動を取ることが重要であることを示唆しています。
常に勇敢である必要はなく、時には臆病になることも、無謀な行動を避けることも必要です。
大切なのは、状況を正しく判断し、適切な選択をすることです。
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似た意味の英語のことわざ
Courage is the golden mean between cowardice and rashness.
(勇気は、臆病と無謀の黄金の中間点である。)
True courage is not the absence of fear, but the victory over it.
(真の勇気とは、恐怖がないことではなく、恐怖に打ち勝つことである。)
Fools rush in where angels fear to tread.
(愚者は天使が恐れるところに飛び込む。)
A brave man is not the one who does not feel fear, but the one who conquers his fear.
(勇敢な人とは、恐怖を感じない人ではなく、恐怖に打ち勝つ人である。)
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似た意味の日本語のことわざ
勇気は臆病と匹敵する
真の勇気とは、恐怖を感じないことではなく、恐怖に打ち勝つことであるという意味のことわざです。
勇気は思案の後に起こるもの
真の勇気を持つためには、状況を冷静に判断し、適切な行動を選択することが必要であるという意味のことわざです。
無謀は勇士の恥
無謀な行動は、真の勇士の恥であるという意味のことわざです。
これらのことわざはそれぞれ、真の勇気とは何かについて異なる側面を強調しています。
早謀は後悔の基
十分な準備や検討なしに行動すると、後悔することになるという意味のことわざです。これは、真の勇気を持つことは、無謀な行動を避けることであることを示唆しています。
勇気は知識から生まれる
真の勇気を持つためには、状況を正しく理解し、適切な判断をするための知識が必要であるという意味のことわざです。
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ミゲル・デ・セルバンテスの生い立ち
幼少期と青年期
ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラは、1547年9月29日、スペインのマドリード近郊にあるアルカラ・デ・エナーレスで生まれました。
父親は外科医でしたが、裕福ではなく、セルバンテス一家は頻繁に転居を余儀なくされました。
幼少期から読書に親しみ、文学への興味を抱いたと言われています。
1569年、セルバンテスは22歳でイタリアへ渡り、そこでスペイン海軍に入隊しました。
レパントの海戦とアルジェ捕虜
1571年、セルバンテスは、オスマン帝国海軍とスペイン・ヴェネツィア連合艦隊が衝突したレパントの海戦に参加しました。
この海戦でセルバンテスは左手を負傷し、英雄として称賛されました。
しかし、帰国途中に海賊に捕らえられ、アルジェで5年間の奴隷生活を送ります。
捕虜生活の中で、セルバンテスは脱走計画を何度も企てますが、いずれも失敗に終わります
帰国とその後の人生
1580年、セルバンテスは身代金でようやく釈放され、スペインへ帰国しました。
帰国後は、戯曲家、詩人、小説家として活動を始めましたが、なかなか成功には恵まれませんでした。
1605年、セルバンテスは47歳の時に、彼の代表作である『ドン・キホーテ』の第1部を出版しました。
この作品は、瞬く間にベストセラーとなり、セルバンテスに名声をもたらしました。
その後、セルバンテスは『ドン・キホーテ』の第2部やその他多くの作品を執筆し、スペイン文学史上最も重要な作家の一人となりました。
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この記事もご覧ください。
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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