- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.04

心に響く英語ことわざ(222)Misfortunes never come singly. 泣き面に蜂
Misfortunes never come singly.
直訳は「不幸は一度だけやってくることはありません」で、似た意味の日本のことわざに「泣き面に蜂」があります。
このことわざは、1つの不幸が起こると、その後にも次々と不幸が続くことが多いという考え方のことわざです。
このことわざの起源は、古代ギリシャの詩人ヘシオドスの作品「仕事と日」にあると言われています。ヘシオドスは、この作品の中で、「不幸は単独でやってくることはない。1つの不幸がやってくると、その後にはさらに多くの不幸が続く」と書いています。
この現象には、いくつかの理由が考えられます。
認知バイアス
人間は、ネガティブな情報に敏感に反応する傾向があります。これは、ネガティブな情報は、ポジティブな情報よりも生存に重要であるという進化的な理由によるものです。そのため、不幸な出来事が起こると、脳はその出来事に強く意識を向け、記憶に残りやすくなります。その結果、不幸が連続して起こっているように感じてしまうのです。
統計的確率
ある不幸な出来事が起こった後、その出来事に関連する不幸な出来事が起こる確率は高くなります。例えば、車をぶつけてしまった後、また車をぶつけてしまう確率は高くなります。これは、車の運転に集中できなくなってしまったり、事故に対する不安が強くなったりするためです。
ストレス
不幸な出来事が起こると、人はストレスを感じます。ストレスは、判断力や集中力を低下させ、さらなる不幸な出来事を招く可能性があります。例えば、失業した人は、新しい仕事を見つけることが難しくなることがあります。これは、ストレスによって面接でうまく話せなくなったり、求人情報をうまく探せなくなったりするためです。
自己実現予言
人は、自分が信じていることが現実になるように行動する傾向があります。つまり、不幸が続くと思い込んでしまうと、実際に不幸な出来事を引き寄せてしまう可能性があります。これは、ネガティブな思考に囚われて、問題解決に向けた行動を取れなくなってしまうためです。
これらの理由から、不幸は単独で来ないことが多いと多くの人が感じているのです。しかし、これは必ずしも真実ではありません。人生には、良い時も悪い時も必ずあるものです。そして、悪いことが永遠に続くわけではありません。
不幸な出来事が起こった時は、ネガティブな思考に囚われず、前向きに進んでいくことが大切です。そうすれば、必ず良い時が訪れるでしょう。
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似た意味を持つことわざ
Ill luck comes in battalions.
(不幸は軍隊のようにやってくる)
It never rains but it pours.
(雨が降るときは、土砂降りになる)
When it rains, it pours.
(雨が降るときは、土砂降りになる)
One misfortune leads to another.
(不幸は不幸を招く)
A run of bad luck.
(不運の連続)
Misfortunes come in threes.
(不幸は3つ連続でやってくる)
The more things change, the more they stay the same.
(物事は変わっても、変わらないものがある)
When one door closes, another opens.
(一つのドアが閉まれば、別のドアが開く)
これらのことわざは、すべて不幸や困難は単独で来ない、ということを意味しています。一つの不幸が起きると、それに次々と不幸が起きることがあるという人生の真実を表現しています。
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日本語のことわざ「泣き面に蜂」に似た意味を持つことわざ
泣き面に蜂は、「すでに不幸な状況にある人が、さらに不幸な出来事に遭うこと」という意味のことわざです。
このことわざに似た意味を持つ日本語のことわざはいくつかあります。以下に、いくつかの例とその意味を紹介します。
弱り目に祟り目 (よわりめにたたりめ): 弱っている時に、さらに不幸な出来事が起こること。
不幸は重なる (ふこうはかさなる): 不幸なことが重なり、さらに状況が悪化する。
泣き面に雨 (なきめんにみぞれ): 不幸な状況にさらに不幸な出来事が重なる。
雪の上の霜 (ゆきうえのしも): 悪いことが重なって、さらに状況が悪化する。
この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(221)Example is better than precept. 論より証拠
https://www.eionken.co.jp/note/example-is-better/
心に響く英語ことわざ(223)What happens twice will happen three times. 二度あることは三度ある
https://www.eionken.co.jp/note/what-happens-twice/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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