- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(418)現代経営学の父ピーター・ドラッカーの名言 The most important thing in communication is to hear what isn’t being said.(言葉は十の裏)
“The most important thing in communication is to hear what isn’t being said.”
直訳は「コミュニケーションで最も重要なことは、言葉にされないことに耳を傾けることである」で、似た意味のことわざに「言葉は十の裏」があります。
ピーター・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker)の名言”The most important thing in communication is to hear what isn’t being said.”の意味
コミュニケーションの本質:言葉の奥にある真意を読み解く
ドラッカーのこの名言は、真のコミュニケーションとは、表面的な言葉だけでなく、その奥にある真意を読み解くことであると説いています。
私たちは、日常的に会話や文章を通してコミュニケーションを取っていますが、真の理解には、言葉に表れないニュアンスや感情、背景にある思考を察知することが不可欠です。
非言語コミュニケーションの重要性:声のトーン、表情、身振り手振り
言葉に表れない情報には、以下のようなものがあります。
声のトーン: 声の高さや早さ、強弱、抑揚などによって、話者の感情や意図を察知することができます。例えば、興奮している時は声が高くなったり、悲しい時は声が低くなったりします。
表情: 表情は、言葉以上に感情を表現することができます。笑顔、しかめ面、皱眉など、顔の表情から、話者の気持ちを読み取ることができます。
身振り手振り: 身振り手振りは、言葉の意味を補ったり、強調したりする役割を果たします。また、緊張している時や、嘘をつい ている時など、無意識のうちに現れる身振り手振りから、話者の本心を読み取ることができることもあります。
アクティブリスニングで真の理解を深める
言葉に表れない情報を読み解くためには、アクティブリスニングと呼ばれる傾聴法が有効です。
アクティブリスニングとは、ただ相手の話に耳を傾けるだけでなく、共感を示し、質問を投げかけることで、話者の真意を引き出すコミュニケーション技法です。
具体的には、以下の点に意識することが大切です。
相手の話に集中し、共感を示す: うなずいたり、適度な相槌を打ったりすることで、相手に話を聞いてもらっていることを示しましょう。
質問を投げかける: 話の内容を深掘りしたり、理解が曖昧な部分をクリアにするために、質問を投げかけましょう。
自分の意見を述べる前に、相手の話を最後まで聞く: 自分の意見を述べたい気持ちがあっても、まずは相手の話を最後まで聞きましょう。
誤解を防ぎ、良好な関係を築く
言葉に表れない情報に気を配ることで、以下の効果が期待できます。
誤解を防ぐ: 言葉だけだと誤解が生じやすい場合でも、表情や声のトーンから真意を理解することで、誤解を防ぐことができます。
信頼関係を築く: 相手の話を真摯に聞き、共感を示すことで、相手との信頼関係を築くことができます。
問題を早く解決する: 相手の本心や真意を理解することで、問題の本質を早く把握し、解決することができます。
ドラッカーの名言を日常に取り入れる
ドラッカーの名言を日常に取り入れるためには、以下の点に意識してみましょう。
会話中に相手の表情や声のトーンに意識を向ける
相手の話に集中し、共感を示す
理解が曖昧な部分は質問でクリアにする
自分の意見を述べる前に、相手の話を最後まで聞く
これらのことを意識することで、より深いコミュニケーションを図り、誤解を防ぎ、良好な関係を築くことができるでしょう。
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似た意味の英語のことわざ
Actions speak louder than words.
言葉よりも行動が雄弁である
このことわざは、人の真意は言葉よりも行動で表れるという意味です。どんなに立派なことを言っても、実際に行動が伴わなければ、その人の言葉は信用できません。
Between the lines.
行間を読む
このことわざは、言葉の裏にある真意を読み解くことが重要であるという意味です。表面的な言葉だけを鵜呑みにせず、その奥にある意図を理解する必要があります。
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似た意味の日本語のことわざ
言わぬは秘め歌
このことわざは、言わなくても理解できることがあるという意味です。大切なことは言葉で説明するよりも、態度や行動で示す方が効果的な場合があります。
腹の虫の音が聞こえる
このことわざは、相手の真意を察知することができるという意味です。言葉に表れない微妙な変化から、相手の気持ちを読み取ることができます。
目を見れば分かる
このことわざは、目は心の窓であるという意味です。相手の目を見れば、言葉に表れない感情や考えを知ることができます。
言葉は十の裏
このことわざは、言葉には裏があるという意味です。表面的な言葉だけを鵜呑みにせず、その奥にある真意を理解する必要があります。
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ピーター・ドラッカーの生い立ち:波乱に満ちた時代を生き抜いた「マネジメントの父」
ウィーン生まれの裕福な家庭で育つ
ピーター・ファーディナント・ドラッカーは、1909年11月19日、オーストリアのウィーンで生まれました。
父親は法学者で、母親は裕福な家庭の出身でした。ドラッカー自身も幼い頃から高い教育を受け、1931年にはフランクフルト大学で国際法の博士号を取得しています。
ナチス台頭とイギリスへの亡命
ドラッカーが大学を卒業した頃、ヨーロッパはナチスの脅威に直面していました。ドラッカーはユダヤ系であったため、ナチス政権から迫害を受ける可能性が高く、1933年にはドイツを脱出し、イギリスへ亡命しました。
イギリスでは、証券会社や投資銀行などで勤務しながら、経済学や社会学を学びました。
アメリカへの移住と大学教授としての活動
1937年、ドラッカーはアメリカ合衆国に移住しました。その後、ベニントン大学、ニューヨーク大学、クレアモント大学院大学などで教授を務め、経営学の研究と教育に携わりました。
ドラッカーは、企業の活動範囲を単なる経済活動から、社会全体に貢献する組織へと捉え直し、現代的な経営学の体系を築き上げました。
豊富な著作とコンサルティング活動
ドラッカーは、生涯にわたり30冊以上の著書を執筆し、数多くの企業に対してコンサルティング活動を行いました。
代表的な著書には、「現代の経営」、「マネジメント」、「イノベーションと企業家精神」などがあり、これらの書籍は世界中の経営者に愛読されています。
20世紀の最も影響力のある思想家の一人
ドラッカーは、20世紀の最も影響力のある思想家の一人として評価されています。
その功績は、単に経営学の分野にとどまらず、社会全体に対する洞察力と、組織のあり方に対する革新的な考え方は、現代社会においてもなお、多くの人々に指針を与え続けています。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(417)米国の発明王トーマス・エジソンの名言 Many of life’s failures are people who did not realize how close they were to success when they gave up.(諦めなければ成功する)
https://www.eionken.co.jp/note/thomas-alva-edison/
心に響く英語ことわざ(419)社会心理学者のエーリッヒ・フロムの名言 Creativity requires the courage to let go of certainties.(捨てる勇気あればこそ、新しいものが生まれる)
https://www.eionken.co.jp/note/rich-fromm/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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