- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(419)社会心理学者のエーリッヒ・フロムの名言 Creativity requires the courage to let go of certainties.(捨てる勇気あればこそ、新しいものが生まれる)
“Creativity requires the courage to let go of certainties.”
直訳は「創造性には、確実性を手放す勇気が必要である」で、似た意味のことわざに「捨てる勇気あればこそ、新しいものが生まれる」があります。
エーリッヒ・フロムの名言”Creativity requires the courage to let go of certainties.”の意味
エーリッヒ・フロム(Erich Fromm)のこの名言は、真の創造性とは、既存の知識や考え方に固執することではなく、未知の世界へと踏み出す勇気を持つことであるということを意味しています。
具体的には、以下のような要素が含まれています。
既存の枠組みからの脱却
創造的なアイデアを生み出すためには、既存の枠組みや固定観念にとらわれず、自由に思考することが重要です。そのためには、時にはリスクを冒したり、周囲の理解を得られなかったりしても、自分の信念を貫く勇気が必要となります。
失敗への恐れを克服する
創造的な挑戦には、失敗がつきものです。しかし、失敗を恐れて挑戦を控えてしまうと、何も新しいものを生み出すことはできません。真の創造性とは、失敗を恐れずに挑戦し続ける勇気を持つことなのです。
不確実性を受け入れる
創造的なプロセスは、常に不確実性に満ちています。どのような結果になるのか分からないという不安に直面することもあるでしょう。しかし、そのような不確実性を恐れずに受け入れることが、真の創造性を開花させる鍵となります。
フロムは、創造性は人間にとって最も重要な資質の一つであると考えていました。なぜなら、創造性によって私たちは、自分自身や世界をより良い方向へと変革していくことができるからです。
しかし、創造性を発揮するためには、確実性を手放す勇気を持つことが必要です。それは、時に困難な道かもしれませんが、真の創造性を追求するためには避けて通れない道なのです。
もしあなたが創造性を高めたいと考えているなら、この名言を心に留めておくことをお勧めします。そして、確実性を手放す勇気を持って、未知の世界へと踏み出してみてください。そうすることで、あなたの中に眠っている創造性が開花し、素晴らしい成果を生み出すことができるでしょう。
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似た意味の英語のことわざ
“Nothing ventured, nothing gained.”
(冒険しなければ何も得られない)
何かを成し遂げようとするためには、リスクを冒す必要があるということを意味しています。安全な道を選べば失敗することはありませんが、何も得ることもできません。真の成功を収めたいのであれば、時にはリスクを冒す勇気を持つことが必要です。
“Take a chance.”
(思い切ってやってみよう)
新しいことに挑戦する際には、不安や恐怖を感じることもあるでしょう。しかし、そのような感情に囚われていては、何も前に進むことができません。勇気を出して一歩踏み出すことで、新しい発見や可能性が生まれるのです。
“Step outside your comfort zone.”
(自分の快適な領域から飛び出してみよう)
人は、慣れた環境にいると安心します。しかし、成長するためには、新しいことに挑戦し、自分の殻を破る必要があります。自分の快適な領域から飛び出すことで、新しい経験や学びを得ることができます。
“Don’t be afraid to fail.”
(失敗を恐れるな)
失敗は誰にでも起こります。大切なのは、失敗から学び、次に活かすことです。失敗を恐れて挑戦を控えてしまうと、何も新しいものを生み出すことはできません。真の成功とは、失敗を恐れずに挑戦し続けることなのです。
“Embrace the unknown.”
(未知のものを受け入れよう)
新しいことに挑戦するには、未知の世界へと踏み出す勇気が必要です。未知のものに対して不安や恐怖を感じることもあるでしょう。しかし、そのような感情に囚われていては、何も前に進むことができません。勇気を出して未知の世界へと踏み出すことで、新しい発見や可能性が生まれるのです。
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似た意味の日本語のことわざ
「捨てる勇気あればこそ、新しいものが生まれる」
古い考えや価値観に固執していると、新しいものが生まれないということを意味しています。創造性とは、固定観念にとらわれず、自由に思考することによって生まれるものです。そのためには、時には既存のものへの執着を手放す勇気を持つことが必要です。
「一歩も踏み出さなければ、何も始まらない」
行動しなければ何も変わらないということを意味しています。創造性を発揮するためには、まず行動することが大切です。どんな小さな一歩でも良いので、まずは行動に移してみましょう。行動することで、新たなアイデアが生まれたり、新しい出会いがあったりするかもしれません。
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エーリッヒ・フロムの生い立ち
幼少期
エーリッヒ・フロムは、1900年3月23日にドイツのフランクフルト・アム・マインで、ユダヤ教徒の両親のもとに生まれました。
彼の家は古くからユダヤ教の律法学者の家系で、曾祖父も祖父もラビ(ユダヤ教における宗教的指導者・律法学者)でした。
フロム自身も幼い頃から祖父の影響を受け、タルムード学者(ユダヤの教えの研究者)になることを夢見ていました。
しかし、第一次世界大戦勃発後の社会情勢や、自身の人生経験から、次第に宗教的な信仰に疑問を抱くようになります。
青年期
1918年、フロムはフランクフルト大学に入学し、最初は法律を専攻しました。
しかし、後に社会学、心理学、哲学へと転向し、これらの分野で深い学びを得ます。
この頃、フランクフルトのユダヤ知識人との交流が深まり、特にマルティン・ブーバーの影響を受けたとされています。
1922年にはハイデルベルク大学で博士号を取得し、その後は精神分析家としてのキャリアをスタートさせます。
思想の形成
フロムは、フロイトの精神分析学を学びながら、次第に独自の思想を形成していきます。
彼は、フロイトの理論を社会学や哲学と融合させ、人間を単なる個体としてではなく、社会的存在として捉える視点を提唱しました。
また、フロイトが重視していた無意識だけでなく、人間が持つ意志や自由についても強調しました。
フロムの代表的な著作としては、「愛するということ」、「自由からの逃走」、「人間のための人間」、「正気の社会」などがあります。
これらの著作は、世界中で多くの読者に読まれ、大きな影響を与えました。
晩年
ナチス政権の台頭により、フロムはドイツを離れ、アメリカ合衆国へと移住します。
その後、ニューヨークやメキシコシティなどで教鞭をとりながら、執筆活動を続けました。
フロムの思想
フロムの思想は、現代社会における人間の問題を深く洞察しており、今日もなお多くの人々に読み継がれています。
彼の思想の核となるのは、「人間は本来、愛し、創造し、成長することができる存在である」という考えです。
しかし、現代社会は、人間をその本質から遠ざけ、孤独や無力感、不安といった問題を抱えさせるような構造になっているとフロムは指摘しました。
そして、このような社会を変革するためには、人間一人ひとりが、真の自分自身を取り戻し、主体的に生きる必要があると訴えました。
フロムの思想は、心理学、社会学、哲学など様々な分野に影響を与え、現代社会における人間を考える上で重要なヒントを与えてくれます。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(418)現代経営学の父ピーター・ドラッカーの名言 The most important thing in communication is to hear what isn’t being said.(言葉は十の裏)
https://www.eionken.co.jp/note/peter-ferdinand-drucker/
心に響く英語ことわざ(420)精神分析学者ジークムント・フロイトの名言 Being entirely honest with oneself is a good exercise.(正直の旗印)
https://www.eionken.co.jp/note/sigmund-freud/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
英音研noteページ
https://note.com/eionken/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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