- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.04

心に響く英語ことわざ(311)「ジュラシック・パーク」で有名な映画監督スティーヴン・スピルバーグの名言 I never felt comfortable with myself, because I was never part of the majority.(少数派)
”I never felt comfortable with myself, because I was never part of the majority.”
直訳は「私はいつも自分自身に自信が持てなかった。なぜなら、私は決して多数派の一員ではなかったからだ」で、似た日本語のことわざに「出る杭は打たれる」があります。
”majority”は「大多数、過半数」を意味し、発音は”mədʒɔ́rəti”、音節は“ma・jor・i・ty”です。
スティーヴン・スピルバーグの名言”I never felt comfortable with myself, because I was never part of the majority.”の意味
スティーヴン・スピルバーグ(Steven Allan Spielberg)のこの名言は、彼の幼少期から青年期にかけての経験と、社会におけるマイノリティとしての葛藤を反映した深い言葉です。
この名言をより深く理解するために、以下の3つの視点から分析してみましょう。
マイノリティとしてのアイデンティティ
スピルバーグは、ユダヤ系というマイノリティとしてのアイデンティティを抱えて育ちました。当時のアメリカ社会では、ユダヤ教徒に対する差別や偏見が存在しており、スピルバーグは周囲から疎外感を感じることが多かったようです。
自信の喪失
マイノリティであることに加え、スピルバーグは学業やスポーツなどでも周囲に追いつけず、自信を失っていた時期もあったと言われています。周囲との違いを意識し、自分が「普通ではない」と感じていたのかもしれません。
映画への情熱
しかし、スピルバーグは映画という表現手段を通して、自分自身を表現し、世界と繋がることを発見しました。映画制作を通して、自信を取り戻し、周囲からの承認を得ることができるようになったのです。
名言の意味
この名言は、マイノリティとしてのアイデンティティと、周囲との違いに葛藤するスピルバーグの心情を表現しています。しかし、同時に、映画を通して自分自身を見つめ直し、自信を獲得していく過程も示唆していると言えるでしょう。
スピルバーグにとっての「多数派」
この名言における「多数派」は、単に人口が多い集団を指すだけでなく、社会的な規範や価値観を共有する集団を指すと解釈できます。スピルバーグは、ユダヤ教徒としてのアイデンティティや、映画への情熱など、周囲とは異なる価値観を持っていたため、「多数派」に属することができなかったと感じていたのかもしれません。
現代社会への示唆
この名言は、現代社会における多様性やアイデンティティの問題にも通じるものです。マイノリティであることは、決して悪いことではありません。むしろ、自分らしさを表現する貴重な機会となるのです。スピルバーグのように、自分自身を受け入れ、自分の価値観を大切にすることで、困難を乗り越え、成功を収めることができるのです。
この名言は、現代社会における多様性やアイデンティティの問題にも通じるものであり、自分自身を受け入れ、自分の価値観を大切にすることの重要性を示唆しています。
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似た意味の英語のことわざ
“The black sheep of the family”
意味: 家族の中で異端児、問題児
解説: このことわざは、家族の中で周囲とは異なる価値観や行動を持つ人を指します。スピルバーグのように、マイノリティとしてのアイデンティティを抱えて育ち、周囲から疎外感を感じていた人によく使われます。
“A square peg in a round hole”
意味: 丸い穴に四角い杭を入れるような、場違いな人
解説: このことわざは、周囲の環境に合わず、居場所がないと感じている人を指します。スピルバーグのように、学業やスポーツなどでも周囲に追いつけず、自信を失っていた時期があった人によく使われます。
“March to the beat of your own drum”
意味: 自分のペースで行動する、周囲に流されない
解説: このことわざは、周囲の意見や価値観に囚われず、自分の信念に従って行動する人を指します。スピルバーグのように、映画への情熱を貫き、周囲からの承認を得ることができた人によく使われます。
Don’t be afraid to march to the beat of your own drum and follow your dreams.
(自分の夢を追いかけるために、周囲に流されずに自分のペースで行動することを恐れないでください。)
“It takes all sorts to make a world.”
(世界は様々な人々で成り立っている)
“There is no such thing as normal.”
(普通なんて存在しない)
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似た意味の日本語のことわざ
“出る杭は打たれる”
意味: 周囲とは異なる才能や能力を持つ人は、妬みや嫉妬から攻撃されることがある
解説: このことわざは、マイノリティとしてのアイデンティティを抱えて育ち、周囲から疎外感を感じていたスピルバーグの境遇をく表しています。周囲とは異なる価値観や行動を持つ人は、周囲から理解されにくく、攻撃されることもあるという現実を反映しています。
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スティーヴン・スピルバーグの生い立ち
幼少期
1946年12月18日、アメリカ合衆国オハイオ州シンシナティで、アーノルド・スピルバーグ(電気技師)とリア・アドラー(コンサートピアニスト)の間に生まれる。
ユダヤ系ポーランド人の家系で、幼い頃から映画に親しむ。
8歳の時に家族でアリゾナ州フェニックスに引っ越し、そこで少年時代を過ごす。
フェニックスの高校時代には、アマチュア映画制作に熱中し、短編映画を何本も制作する。
青年期
1965年、カリフォルニア大学ロングビーチ校に入学するが、映画制作への情熱から2年後に中退する。
1969年、ユニバーサル・スタジオと契約し、テレビドラマの監督を手掛ける。
1975年、映画『ジョーズ』で長編映画監督デビュー。大ヒットとなり、スピルバーグを一躍有名監督にする。
その後
その後、『E.T.』、『ジュラシック・パーク』、『シンドラーのリスト』など、数々の名作映画を世に送り出す。
1994年、映画製作会社「ドリームワークス・アニメーション」を設立。
2005年、スピルバーグ映画財団を設立し、映画教育や人道支援活動などに力を入れている。
ピルバーグの生い立ちから学べること
夢や目標に向かって努力すれば、必ず成功できる。
困難に直面しても、諦めずに挑戦し続けることが大切。
自分の才能を信じて、道を切り開いていくことが重要。
成功を収めた後も、社会貢献活動などを通して、周りの人々に貢献することが大切。
スティーヴン・スピルバーグは、映画界を代表する巨匠であり、多くの人々に夢や希望を与えてきた人物です。彼の生い立ちは、私たちに勇気と感動を与えてくれます。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(310)アカデミー賞映画監督・俳優のウディ・アレンの名言 If you’re not failing every now and again, it’s a sign you’re not doing anything very innovative.(失敗は成功の母)
https://www.eionken.co.jp/note/woody-allen/
心に響く英語ことわざ(312)ビートルズのメンバーとして多くの名曲を残したジョン・レノンの名言 We need to learn to love ourselves first, in all our glory and our imperfections.(己を愛せば人をも愛せる)
https://www.eionken.co.jp/note/john-lennon-2/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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