- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(341)フランスの哲学者・小説家のヴォルテールの名言 Love truth, but pardon error.(真実を愛しなさい、しかし誤りは許しなさい過ちを犯すことは人間であり、許すことは神聖なこと)
“Love truth, but pardon error.”
直訳は「真実を愛しなさい、しかし誤りは許しなさい」で、似た英語のことわざに「過ちを犯すことは人間であり、許すことは神聖なこと」があります。
ヴォルテールの名言”Love truth, but pardon error.”の意味
ヴォルテール(Voltaire)のこの名は、真理を愛し、過ちを許すことの大切さを説いた言葉として知られています。
この名言には、以下の2つの重要な意味合いが含まれています。
真理を愛すること
ヴォルテールは、真実を追求し、その価値を認めることの重要性を強調しました。真理は、私たちが世界を理解し、正しい判断を下すための基盤となります。真理を愛することは、偏見や迷信から解放され、より良い人生を送るための第一歩と言えるでしょう。
過ちを許すこと
しかし、ヴォルテールは同時に、人間は誰でも間違いを犯すものであることを理解していました。そして、過ちを犯した人を責め立てるのではなく、寛容な心で許すべきだと訴えています。 過ちを許すことは、人間関係を築き、社会全体の調和を生み出すために不可欠な要素です。
真理と寛容のバランス
この名言は、真理を愛し、過ちを許すことの重要性を説く一方で、両者のバランスを保つことの必要性も示唆しています。真理を追求するあまり、他者を排斥したり、攻撃したりすることは避けなければなりません。一方、過ちを許すあまり、真理をないがしろにすることも許されないでしょう。
現代社会への示唆
ヴォルテールの名言は、現代社会においてもなお、多くの示唆を与えてくれます。私たちは、日々様々な情報や意見に接し、真偽を判断する必要があります。真理を愛し、批判的に考える姿勢を持ちながら、同時に他者への寛容さを忘れずに、より良い社会を築いていくことが求められていると言えるでしょう。
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似た意味の英語のことわざ
To err is human, to forgive divine.”
(過ちを犯すことは人間であり、許すことは神聖なこと)
このことわざは、ヴォルテールの名言と同様に、人間は誰でも間違いを犯すものであることを認めており、寛容な心で許すべきであることを説いています。 しかし、ヴォルテールの名言が真理への愛を強調しているのに対し、このことわざは許しの重要性をより強く強調していると言えます。
“Truth will out.”
(真実は必ず明らかになる)
このことわざは、ヴォルテールの名言とは異なり、真理の必然性を強調しています。どんなに隠そうとしても、真実は必ず明らかになるとの信念が込められています。ヴォルテールの名言は、真理を愛し、追求することの重要性を説いている点で共通していますが、このことわざは、真理の力強さを強調している点が異なっています。
“Let bygones be bygones.”
(過去のことは水に流しましょう)
このことわざは、過去の過ちに囚われず、前に進むことの重要性を説いています。ヴォルテールの名言は、過ちを許すことの大切さを説いている点で共通していますが、このことわざは、過去の過ちに執着することの無意味さを強調している点が異なっています。
“Err and err again, but learn from your mistakes.”
(何度も失敗しても、そこから学びなさい)
“The first step to forgiveness is understanding.”
(許すためにはまず理解することが必要だ)
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似た意味の日本語のことわざ
「真実の鏡に映らぬものはなし」
このことわざは、真実が必ず明らかになることを意味しています。 ヴォルテールの名言が真理への愛を強調しているのに対し、このことわざは真理の必然性をより強く強調していると言えます。
「人の過ち、我が過ち」
このことわざは、他人の過ちを自分のことのように受け止めることの大切さを意味しています。 ヴォルテールの名言が過ちを許すことの重要性を説いている点で共通していますが、このことわざは、他者への共感と寛容さをより強く強調していると言えます。
「過ちて改めざるは、其の過ち非ざるなり」(あやまちであらためざるは、そのあやまちひざるなり)
このことわざは、過ちを犯すことは誰でもあり、大切なのはそこから学ぶことであることを意味しています。 ヴォルテールの名言が真理を追求することの重要性を説いている点で共通していますが、このことわざは、自己反省と成長の重要性をより強く強調していると言えます。
「真実一路」
このことわざは、真実を貫くことの大切さを意味しています。 ヴォルテールの名言が真理を愛し、批判的に考えることの重要性を説いている点で共通していますが、このことわざは、信念を持って行動することの重要性をより強く強調していると言えます。
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ヴォルテールの生い立ち
誕生と幼少期
フランスの哲学者、作家、歴史家であるヴォルテールこと、フランソワ=マリー・アルエは、1694年11月21日、パリの裕福な家庭に生まれました。
父親は会計検査官で、母親は貴族の娘でした。
幼い頃から知性と才能に恵まれ、4歳で読書を始め、7歳で詩作をしたと言われています。
10歳の時にイエズス会のクレルモン学院に入学し、そこで古典学、哲学、神学を学びました。
青年期:文学への目覚めと流刑
1713年、クレルモン学院を卒業後、弁護士を目指して法律を学びますが、文学への情熱を抑えることができず、詩作や戯曲の執筆に注力し始めます。
1717年、ルイ15世の摂政オルレアン公を風刺する詩を書いたことが原因で、バスティーユ牢獄に11ヶ月間投獄されます。
この出来事をきっかけに、ヴォルテールはペンネームを使い始め、以後生涯にわたって様々な作品を発表することになります。
亡命と遍歴:知性と才能の開花
1726年、イギリスへ亡命し、3年間ロンドンで過ごします。
そこで啓蒙思想家たちと交流し、自身の思想を形成していきます。
1729年、フランスへ帰国しますが、その後も政府の弾圧を逃れてスイスやプロイセン王国などを転々とし、1753年にスイスのフェルネ村に居を構えます。
フェルネ村では、執筆活動に専念し、数多くの哲学書、歴史書、小説、戯曲を発表しました。
ヴォルテールの作品は、当時のヨーロッパ社会に大きな影響を与え、啓蒙思想の普及に貢献しました。ヴォルテールは、生涯を通して自由と真理を追求し続け、不屈の精神と鋭い知性で数多くの名言を残しました。
彼の作品は、現代社会においてもなお、多くの人々に読み継がれています。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(340)ドイツの哲学者ショーペンハウアーの名言 We forfeit three-fourths of ourselves in order to be like other people.(竹に雀)
https://www.eionken.co.jp/note/arthur-schopenhauer-2/
心に響く英語ことわざ(342)フランスの哲学者のモンテーニュの名言In the education of children there is nothing like alluring the interest and affection.(興味なければ宝の山も瓦礫)
https://www.eionken.co.jp/note/montaigne/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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