- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.04

心に響く英語ことわざ(203)He who touches pitch shall be defiled. 朱に交われば赤くなる
He who touches pitch shall be defiled.
直訳すると「ピッチに触れた者は汚されるであろう」となり、似た日本のことわざに「朱に交われば赤くなる」があります。
「pitch」は、タールなどの黒色の粘着性のある物質のことです。
このことわざは、タールに触れると、その粘着性によって汚れてしまうという意味から、悪いことに近づくと、その影響を受けて自分も悪い人になってしまうという意味を表しています。
そのため、このことわざは悪い人や悪い環境に近づかないように警告する意味合いで用いられます。
ではなぜ、悪いことに近づくと、その影響を受けて自分も悪い人になってしまうのでしょうか?
人間は、周囲の環境や人に影響を受けやすい生き物なので、悪い人や悪い環境に身を置くと、その人の言動や考え方に触れることで、自分も悪い考え方や行動を身につけてしまうと言うことだと考えられます。
“defile”は「汚す、汚染する」などを意味し、発音はdifáil、音節はde・fileです。
以下のような用例があります。
The river was defiled by the factory’s waste.
(工場の廃棄物によって川が汚染された。)
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似た英語のことわざとしては以下のものがあります。
“Birds of a feather flock together.“(類は友を呼ぶ)
“Evil communications corrupt good manners.“(悪い交わりは善良な習慣を腐敗させる)
“One rotten apple spoils the barrel.“(腐ったリンゴは樽を台無しにする)
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この英語のことわざに似た日本のことわざの「朱に交われば赤くなる」の「朱」は、赤色の顔料で、中国では古くから縁起の良い色とされています。
しかし、その朱色は、一度染み付くとなかなか落ちないものです。
このことから、悪い人や悪い環境に近づくと、その悪い影響を受けて、自分も悪い人になってしまうという意味のことわざとして使われるようになりました。
悪事を働いて大儲けをしている人たちを見てもうらやましいと思わず、わずかな収入でも地道に働いている人たちの仲間でいる方が、まっとうな人生を歩めると思います。
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似た日本語のことわざとしては以下のものがあります。
「水は方円の器にしたがう」
水は、その容器の形状に合わせて形を変えるように、人は周囲の環境に影響を受けるという意味です。
良い人や良い環境に身を置くと、自分も良い人になるという意味の教訓です。
この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(202)He that falls today may rise tomorrow. 七転び八起き
https://www.eionken.co.jp/note/falls-today-may-rise/
心に響く英語ことわざ(204)Manners know distance. 親しき仲にも礼儀あり
https://www.eionken.co.jp/note/manners-know-distance/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
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・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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